消えた幼馴染
奈々は高校にも姿を見せなかった。
「おい健斗!炎城のやつなんで学校来てないんだ?」
遼は奈々を心配していた。
「僕にも分からない。家にもいなし、連絡も繋がらないし。」
「なぁ何かあったのか?トラブルとか。」
「この間...奈々に告白されたんだ。」
「で、答えは?」
「付き合えないって言った。」
「あ、それだな。絶対。」
「でも、奈々はその日も普通だったよ!」
「あいつはお前に敢えていつも通りに接してたんだよ。でも心の中は泣いていたはずだ。
あいつはな、あいつはなお前のことが大好きだったんだよ。」
「なんで振ったんだよ?」
遼は顔は怒っていないが雰囲気からして怒っているようだった。
「それは...」
健斗が答えようとした時、学校のチャイムが鳴り担任の先生が教室に入ってきた。
「みんなに少し報告がある。」
「炎城 奈々さんが転校することになった。両親の元に行くそうだ。今日がその日だ。確かフランスだったかな。」
健斗は頭の中が真っ白になった。
(奈々が海外に...)
健斗は走馬灯のように奈々の顔や笑顔これまで過ごした日々の思い出が蘇ってきた。
「僕は馬鹿だ...なんで今になって...」
「先生!早退しますっ!」
健斗はダッシュで学校を出た。そして奈々のいるはずの空港へと向かった。
タクシーで健斗は空港へと向かった。
空港へ着くとタクシー代を払い空港中を走り回った。
「奈々あぁぁ!奈々あぁぁ!」
「いたら返事してくれぇぇ」
周りの人からは変な目で見られていた。
健斗にとってそんなことどうでも良かった。
奈々に会いたい。会ってもう一度答えを言いたい。その気持ちで頭は一杯だった。
だが走り回って探すが見つからない。健斗は疲れもあり足が絡んで転んでしまった。
「奈々..会いたい。会いたいよ。」
「遠くに、行かないでくれよ。」
健斗はもう一度立ち上がろうとして顔をあげた時その場で固まった。
奈々が待合室で座っているのが目に入ったからだ。
水色のワンピースにピンクのキャリーバッグを持っている。
健斗は奈々に近づいていく。
「奈々。奈々だよね?」
奈々は振り返った。そして目を見開いた。
「け、けんちゃん。なんで。」
健斗は息を切らしている。
「急にいなくなるなんて反則だよ。」
「ごめん....けんちゃん。」
「いや、僕こそごめん。」
「僕は失いかけてようやく気づいたよ。奈々と一緒にいたいって、奈々のいない日々何て想像できない。もっと早く気付くべきだった。でも色々考えすぎてたんだ。」
「遅くなったけど僕の今の、本当の気持ちを聞いてほしい!」
「う、うん...いいよ。」
健斗も奈々も互いに真剣な顔をしていた。




