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オーバーフロー 〜レベル0と表示された俺は、実はカンスト超えレベル65536だった〜  作者: 月影光貴


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第8話 存在してはならない者

7月9日

 世界が変わって2日目。朝、零はいつも通り学校へ向かっている。

 前の道ゆく学生が例の話をしていた。


「レベルとスキルどうだった?」


「俺はスキルあったぞ!」


「いいなぁー俺何もなかったぞ」


 街中で、その話題で持ちきりだ。昨日政府が発表したヴォイド。そして新たな力。

 レベルとスキル。

 ゲームが現実になったのだ。


「本当に世界が変わっちまったんだなぁ……」


 スマホを見る、自分のステータスを改めて確認した。

 レベル0に文字化けだらけだが着実に零もスキルを獲得して強くはなっている。

 零は昨日のスマホに出た管理者権限最上位について疑問に思う。


 あれは一体なんだったのだろうか。


「……気になるなぁ」


 だが何度確認してもステータス画面と近くのヴォイドを探すマップだけだ。


 学校に着いてもやはりレベルだのスキルだのばかりだ、昨日に続いて話の話題に尽きないらしいと零は思った。


「スキルは焼き鳥職人とかだった……」


「俺レベル11だった〜!」


「戦闘系が欲しいなぁ……暁凛みたいに格闘してみたいぞ」


 教室では皆皆が自分のスキルやレベルを自慢したり一喜一憂していた。

 異世界の様な光景だが、ここは日本だ。


「梶原」


 零が声をかけられて振り返ると隣のクラスの凛だった。


「おはよう」


「おはよう、結局まだレベル0なの?」


「……そうなんだよなぁ」


「私はホブゴブリン討伐後にはレベル69、その私と並び立ち戦えたのに0なのはおかしいわ」


「……ん〜、スキルだけ入手できる才能かもな!」


 腕組んで唸り絞り出した答え。笑っていると後ろから元気な声がした。


「かじ先! おはようございます!」


「ああ、おはよう。先なのか(パイ)なのかどっちなんだ……てか敬語はいらんぞ」


「癖だね!」


「今日元気ね」


 髪をフサァとして答える凛。


「凛、おはよう!」


「ええ、おはよう」


「じゃあ、本題だけど! なんかステータス開示するのが流行っているのでやるね! やっと攻撃に使えるスキル手に入ったし!」


——

【名前】 黒瀬初音

【種族】人間

【レベル】42

【職業】 高校生

【スキル】【魔弾 Lv1】【分析Lv1】【看破Lv1】

【スキルポイント】0

【ユニークスキル】『解析眼(アナライズアイ)

——


「じゃじゃーん! 魔弾を撃てるようになっちゃった〜!」


 笑顔で両手の人差し指と中指を突き出し、他の指を折って銃のジェスチャーをすると指先に青い魔法陣が出た。


「これを〜はい!」


 そのままの笑顔で窓外に撃ち出すとぶつかった木が折れて倒れ地響きがした。


 ドォォォン!!!


 教室は静まり返る。


「……」「……」「……」


 初音はサムズアップした。


「威力確認完了!」


 やったー! これめっちゃ強いじゃん! スキルポイントを使う時にスキル獲得優先度があったのはアナライズのおかげなのかな……?


「確認場所を考えなさい!」


 馬鹿……! 圧倒的に馬鹿……!!


「知らんふりしとけ……」


 俺も遠距離攻撃に憧れあんだよなぁ。


 3人はチクられる事も無くその場をしのいだ。

 そして昼休みになり3人でまた食事をしている。


「そう言えば凛のステータスって何?」


 初音が彼女の方を見つめて言う。


「……これよ、あと筋トレをしていたらレベルが1上がったわ、結構色々な方法で上がるかもしれないわね」

 

——

【名前】 暁凛

【種族】人間

【レベル】70

【職業】 高校生

【スキル】 【身体強化Lv3】【感覚強化Lv2】【攻撃力up Lv2】【防御力up Lv1】

【スキルポイント】5

【ユニークスキル】『戦闘演算』

——


 これをみた初音は熱狂。

 

「マジすげぇ〜!!! 凛ちゃん、めちゃつよじゃん!」


「本当にすごいな、この学校で1番強いんじゃないか?」


 それに冷静に答える凛。だが褒められて悪い気はしないのか少し口角が上がっている。


「というか多分、ここでは私たちがトップ3よ……あ、北川先生は除いてね」


 あのイレギュラー体育教師はレベル53なので初音よりレベルが上なのだ。


「北先は強かったからね〜」


 呑気な零に今度は質問の矛先が向かう。


「かじはどんな? 0なのに強いからスキルも強い?」


「そこね、気になるわよね」


 2人とも興味津々なのでホログラムを出した零。


「ほい」


——

【名前】 梶原零

【種族】人間

【レベル】0

【職業】 高校生 剣道部部長

【スキル】【身体強化Lv1】【攻撃力up Lv1】【装備強化(攻撃)Lv1】【装備強化(耐久)Lv1】

【スキルポイント】豐「螻ア

【ユニークスキル】『O■er■■■w』

——


「やっぱり0でもスキルはあるから強いのかな?」


「そうね、にしてもこの文字化けは何かしら」


「アナライズいきまーす!」


 眼の前に魔法陣が現れ分析をした結果、普通に解読出来てしまった。


「このスキルポイントの文字化けは『沢山』と言う意味だから、レベルがない代わりにスキルを得やすいのかな?」


 初音は首を傾げながら言う。


「スキルポイントの前借りがこの読めないユニークスキルの内容かしら?」


 それを聞き、そういえば戦闘演算ってどう言うスキルなのか疑問を抱いた零。


「そう言えば凛の戦闘演算って何だ?」


「相手の動きや、こちらの有効な手を予測したり計算してくれるのよ。だから2秒と宣言して2秒通りにゴブリンを倒せた訳よ」


「へぇ〜」


 感心していると全員のスマホが鳴る。ヴォイドアプリ経由で政府がメッセージを送ってきた。


【政府能力者登録案内】


「来たわね」


 全員が画面を見る、しかし。


【梶原零】

【アクセス確認】

【権限照合】

【一般権限……拒否】

【管理者権限……確認】

 

「……え?」


 画面が黒く染まる。


【閲覧権限:最上位】


 昨日と同じ文字いや、今回はもっとはっきり見えた。


「零?」


 凛が声をかけてくる。


「……」


 零はスマホを見る、そして理解した。


 俺はただのレベル0じゃない。

 もしかしたら最初から、この世界のシステムに異物として認識されている存在なのかもしれない。


————


 同時刻の政府施設。


 研究者達は一つの画面を見ていた。


「……あ、ありえない」


「何がだ?」


「全国民のデータがあります」


 研究者は震える指で画面を指す。


「ですが……この人物だけ」


 そこには一人の名前。


 


【梶原零】

 

「データが読み取れません」


「読めない?」


「はい……」


 額の汗を拭う。


「システム上では、この人間は……」


 一瞬、言葉を失う。


「人類として登録されていません」


 そこで画面を見るとホラー映画のような画面になったモニターがあった。

 

【個体識別】

ERROR

ERROR

管理者のみ閲覧可能


 殆どの世界はまだ知らない、世界のルールから外れた存在がいる事を

評価などよろしくお願いします

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