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第47話:次の約束

「待ち合わせにデートでやってくるってどういうことなの?」


月曜日は朝から宮沢さんからの尋問を受けていた。


「いや、買い物に一緒に行ってほしいと言われたので付き合っただけで」

「それにしても、待ち合わせまで一緒っておかしくない?」


そのとおり、普通待ち合わせまで一緒には来ないよね。どうやって答えたらいいんだろうか?自分としては買い物の後にランチを食べたところで別れるつもりだったのだが。


とにかくデートではなくて買い物に付き合っただけで、待ち合わせまで一緒に行くつもりじゃなかったことを説明してなんとか納得してもらった。


「それで、夏樹君。家で井上さんと夕食を食べる話をしてたけど、どういうことなの?」


尋問はまだ終わっていなかったらしい。


「俺は両親が不在のことが多くて、それで隣に住んでいる井上さんの家族と一緒に食べることがあるんだよ」

「それにしても、迎えまでくるのはおかしくない?」


そのとおり。夕食を食べるだけなら、そんなことしないよね。どうやって答えたらいいんだろうか?そもそも、あの後に美桜みおにも聞いたのだが、はぐらかされてしまったのだ。

とにかく、事前に場所と時間を聞かれたので教えてあっただけで、迎えを頼んだわけではないことを説明してみる。


「じゃぁおわびに私にも夏樹君の料理を食べさせてもらいたいな」


おわびとはどういう意味?と聞きたかったが、とても聞けるような雰囲気ではない。ここは大人しく了承しておこう。


「わかった。いつでもいいよ」

「そしたら今週末の夕食でお願いね」


えっ?週末の夕食?平日の部活後に調理室で味見するとかじゃないの?


「平日の部活後とかは?」

「平日の部活後は遅くなっちゃうから無理よ」

「でも週末は調理室は使えないよ」

「調理室?夏樹君の家なら大丈夫よね?」

「俺の家??」

「何か問題あるかな?」


いやいや、問題しかないでしょう。学年でトップクラスの人気のある女の子が、男子学生の家に来るなんてどんな憶測を呼ぶかわからない。あの体育館での応援でも、あれだけ睨まれたのだ。しかも最近、下の名前で呼ばれるようになってクラス中の男からも睨まれている。家に来るなんてことが知れたら、学校中のヘイトを集めると思う。でもこれをどうやって宮沢さんに説明すればいいんだろう?うん無理だな。宮沢さんが家に来るとヘイトを集めるなんて言えるわけがない。ここは一般的な理由にしよう。


「えーと、高校生の男女が誰かの家で一緒に夕食というのは...」

「でも夏樹君は井上さんの家で夕食を食べたのよね?」

「そうですね」


そもそもそれがきっかけで、この尋問が始まったのだった。


「なら、いいよね?」

「はい」


これ以上断るのは良くないと思った俺は、了承することにした。本来ならこんなに可愛い子が自分の家に遊びに来てくれるなんて嬉しいに決まっているのだが、ここのところトラブル続きだったので、また問題が発生するような気がしてならない。いつの間にこんなにトラブル体質になってしまったのだろうか?


□▲□


月曜日から中間テストの期間になったことから、部活動は禁止となっていた。放課後の勉強会については、これまでは部活が始まる前までの短い時間だけで行っていたが、部活動が禁止なので少し長めの時間で行うことになったのだが。


「夏樹先輩、一緒に勉強しましょう!」


佐伯さんがクラスにやってきて一緒に勉強をすると言ってきた。


「料理部は活動中止中だから、俺達の勉強会を待つ必要はないよ」

「だから一緒に勉強するんですよ!私も先輩の勉強会に混ぜてください」


そう言って、俺の隣に座ってしまった。いまさら、帰るように言うわけにはいかないので、そのまま勉強会を続けたのだが、


「夏樹先輩、ここを教えてください」

「それはね」

「夏樹君、ここの問題ってどう考えればいいのかな?」

「そうだなぁ。こう考えるというのはどう?」


隣に座っている佐伯さんと宮沢さんから交互に相談を持ちかけられていて、全く集中できない。二人とも笑顔で相談してきているのだが、なんとなくピリピリとした雰囲気を感じるため、全く落ち着かない。しかもクラスメイトからもきつい目で見られているような気がする。まるで針のむしろ状態なのだが、ひょっとするとこの状態が中間テスト期間、ずっと続くのだろうか?


□▲□


中間テストがやっと終わって、佐伯さんが勉強会に参加することがなくなり、放課後の針のむしろ状態は終わった。実にきつかった。


「なぁ最上」

「なんだ袴田?」

「おまえ、すごいな」

「いや、中間テストの成績は少し落ちてしまったんだが」

「そうじゃなくて、テスト期間中に両手に花の状態だっただろ?」


えっ?両手に花?針のむしろの間違いじゃないの?傍から見ると両手に花に見えるの?


「いや、一緒に勉強していただけで」

「あんなにベッタリとくっついていて何を言っているんだよ?めちゃくちゃ目立っていたぞ」


おかしい、俺はモブのはずだったのだが、いつからこうなってしまったんだ?

第47話までお読みいただきありがとうございます。よろしければ評価、感想などを頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
ハイスペックを差し引いても、「女性にだらしない」は大きなマイナス点ですね。 夏樹君、博愛主義者も程々にしないと、全てを失いますよ?
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