第45話:忙しい週末
週末がやってきたのだが、なぜか午前に後輩、午後にクラスメイト、夕方に幼馴染と会うことになってしまっている。まるで三股かけているみたいだ。ひょっとすると俺はとてもひどい奴なのではないだろうか?でも、後輩とは買い物に付き合うだけだし、クラスメイトはグループで会うわけだし、幼馴染は勉強会なんだし問題はないはず!
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まずは午前中は後輩との買い物だ。いつもどおりに30分前に待ち合わせ場所で待っていると、今回は5分前ぐらいに来てくれた。
「先輩、おまたせ!」
「おはよう、佐伯さん。今日も可愛いね」
「褒め方がいつも通りですけど、先輩ですから仕方ないですね。早く買い物にいきましょう」
すいません、可愛いとしか表現しようがないんです。
以前にミトンを買った店などをまわって、エプロンをいろいろと見ていく。それにしても、かわいいエプロンを買ってしまったら、汚さないようにするために却って気を使いそうに思えるのだが、そういう考えだから前回も含めてこれまで彼女ができなかったのだろう。
「そういえば、先輩ってエプロン使っていないですよね?」
実は洗濯が面倒なのでエプロンは使っていなかった。というか買ったこともなかった。だって男一人で料理しているのに、エプロンをつけていたらキモいのではないだろうか?
「エプロン持っていないんだよ」
「そうなんですか、一つぐらいあったほうがいいですよ。せっかくだから私が選びますよ」
確かに一つぐらいあってもいいか。
「それじゃ、お願いしようかな」
「任されました!」
すごく上機嫌になった佐伯さんはエプロンをいろいろとチェックしている。
「先輩、このエプロンかわいくないですか?」
佐伯さんが選んだエプロンは青色の花柄のエプロンだった。花の絵はデフォルメされていて確かに可愛いエプロンだ。
「確かに可愛いエプロンだね」
「先輩、このエプロンをつけてみてください」
「はい?」
佐伯さんは持ってきたエプロンを広げて、俺の前に掲げた。男に花柄のエプロンはちょっと似合わないんじゃないか?
「うん、先輩に似合いますね。買いましょう」
「そうか?ちょっと可愛い感じのエプロンだけど」
「先輩は、可愛いを理解しないといけませんから」
よくわからない理由だったが、せっかく選んでくれたし買うことにしよう。
「ありがとう、じゃぁ俺はこれを買うよ」
「こっちに同じデザインで赤色のエプロンもありますよ」
「色違いがあるんだ。」
「はい。だから私はこっちを買います」
「えっ、お揃いになってしまうのでは?」
「だからお揃いを買うんですよ」
お揃いのエプロンなんて新婚夫婦みたいになってしまうのでは?と言おうとしたのだが、盛大に地雷を踏みそうな気がしたので、そこまでは言わないでおいた。しかしお揃いのエプロンか。こんな可愛い子とお揃いのエプロンを、学校で使ったら絶対に騒動になりそうだ。
「わかったけど、学校で使うのは無しね。学校でお揃いのエプロンを使ったら、変な噂が流れちゃうから」
「私としては噂はどうでもいいんですが、まぁ仕方ないですね。ちゃんと家では使ってくださいね」
家で使う分には誰にも見られないから大丈夫か?
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「先輩、クラスメイトとは午後からですよね?」
「そうだよ」
「ではランチは一緒に食べられますよね?」
「そうだな。そしたら海鮮丼の店にでも行くか。限定20食のスペシャル海鮮丼を売っている店があるんだよ」
「いいですね。限定と言われると得した気がします」
ランチ後、クラスメイトとの待ち合わせの場所に行こうとしたのだが、
「それじゃ、佐伯さん送ってあげられないけど、気をつけて帰ってね」
「先輩、まだ終わっていませんよ。先輩の待ち合わせまでは一緒に行きます」
「えっ、それはまずいんじゃないか?」
「なにがまずいんですか?」
いや、普通クラスメイトの待ち合わせに女の子を連れていかないでしょう。
「先輩、早くいかないと遅刻しちゃいますよ」
「いやだからね。一緒に行くのはさすがにちょっと」
「早く行きますよ!」
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結局、クラスメイトの待ち合わせまで佐伯さんは一緒に来てしまった。
「それじゃ、夏樹先輩。楽しんできてくださいね」
「あぁ、待ち合わせ場所まで送ってくれてありがとうね」
「どういたしまして!」
佐伯さんは笑顔で帰っていったが、
「最上、おまえ何考えてんの?」
「女連れでクラスメイトの集まりに来るとか凄すぎじゃね」
当然ながら、クラスメイトはドン引きである。これも三股かけた罰だろうか。いや実際は三股じゃないんだけど。
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