第38話(別視点):それぞれの思惑
佐伯陽菜 Side:
先輩のクラスでの様子を見てみたかったので、放課後に先輩をクラスまで迎えに行ってみることにした。ちょっと緊張したけど、思い切って先輩の名前を呼びながらクラスに入ってみた。先輩は5人組のグループで勉強会をしているみたいだった。放課後に勉強会をやっているなんて、自称ガリ勉なだけはあるかな。
先輩からは調理室に先に行ってもいいよと言われたけど、先輩のクラスの様子を見たかったから待つことにした。すると先輩の友達という人が話しかけてきた。別にその人に興味はなかったけど、先輩がクラスでどんな感じなのか知れるかも?と思って話を合わせてみることにした。
その人の話では、先輩はクラスでは目立つようなことはしていないみたいだったけど、一つだけ気になる情報があった。それは宮沢さんという一年生でも有名なとても可愛い人が、先輩と同じ勉強会に参加していることと、どうやらクラスでは先輩がその人と一番仲がいいと噂されているということだった。宮沢さんは可愛いことで有名だけど、それだけじゃなくてバレー部でも活躍していて一年生の男子の間でも人気が高い。そんなにレベルの高い人が先輩に?
気になったので先輩が参加している勉強会をチェックしてみると、宮沢さんは先輩との席の間隔をほとんどないぐらいに近づけていた。勉強会をするのにそんなに席を近づける必要はないよね?しかも話しかけているのはほとんど先輩に対してのみだ。まさかとは思ったけど、これは宮沢さんが先輩にアプローチしているのは確定ね。でも、まだクラスでも仲がいいという噂までみたいだから、まだ付き合ってはいないはず。夏休みにプールに一緒に行った私が、いまのところは一歩リードしているはずなんだから、このままリードを絶対に守り切らないと。だから私はクラスから調理室に向かうときに、一緒に帰ることを強調しておいた。
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宮沢志保 Side:
クラスに見知らぬ女の子がいきなり入ってきた。とても可愛い子だ。誰かを呼びに来たのかな?と思ったら、なんと相手は最上君だった。どうやら料理部の後輩みたいだ。料理部ともなれば、女の子も多いだろうし、後輩の女の子もいるだろうとは思うけど、わざわざ迎えにくるものかしら?
ひょっとすると、あの後輩の女の子も最上君を狙っているのかもしれない。そう思った私は今日は、いつもよりも最上君との席を近くにして、ほとんど触れるぐらいに近づいて問題について聞いたりしてみた。するとあの女の子は、クラスメイトの男の子数人と話をしながらも、チラチラとこちらを見てきた。どうやら気になっているみたい。極めつけは調理室に行く時だった。
「今日も一緒に帰りましょうね」
これから調理室に行くのに、わざわざ帰りに一緒に帰ることを言う必要なんてなかったはず。あれはあきらかに私への挑戦状ね。それにしても、幼馴染という存在がいただけでも驚きだったのに、後輩という存在までいたなんて。でも私には同じクラスメイトというアドバンテージがあるんだから、負けるわけにはいかないわ。
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