第33話:プール
バイトが終わったあとの夏休み後半も、なぜか一日おきぐらいで出かけることになって意外と忙しく過ごしていた俺であったが、夏休みの最終日は後輩の佐伯さんとプールに行くことになった。すっかり買い物に付き合うものだと思っていた俺は、それはまずいんじゃないか?と考え直すように促してみたのだが、行き先は任せると言ってしまった以上は、一緒にプールに行くしかなかった。まぁ海の家でバイトしていたんだし、プールぐらいなら問題ないか?
待ち合わせ場所にはナンパ防止のため30分ぐらい前に行っておくことにする。待ち合わせ時間の15分ぐらい前に佐伯さんがやってきた。
「あれ?先輩早いですね」
「そういう佐伯さんも、まだ15分前だよ。もっとギリギリでもいいのに」
「先輩を待たせるわけにはいかないですからね」
「いや俺はいいから、佐伯さんすぐにナンパされるから、なるべく待たないようにしてね」
「そういうことなら、これからはもう少し遅くしますね」
「そうそう、今日も可愛い服だね。」
袖がとても短い淡い赤色のブラウスに紺の短パンと夏らしい服装だった。特に短パンから伸びる長い脚が否応なしに目に入ってきてしまい、どこを見て話せばいいのか困ってしまう。
「先輩、これは可愛いというよりも、ドキッとするのを目指したんですけど」
「あっ、もちろん、凄くドキッとしたよ」
「へー。どのへんがですか?」
もちろん短パンから伸びる脚なんて言えるわけもないので
「さあ、早くプールに行こう」
と言ってごまかすのであった。
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更衣室を出たところで佐伯さんを待つことにする。同じように女性を待っている男がたくさんいて、相手の女性がでてくる度に、それぞれの男がそれぞれの言葉で褒めていた。当然、おれも佐伯さんを褒める必要があるのだが、なんて言えばいいんだろう?水着姿が可愛いというのは、ちょっと子供っぽい褒め方のような気がするし、かといってスリムだねというのも誤解を生むような気がする。グラマーだとセクハラになりそうだし、やっぱり定番のキレイだねだろうか?
「おまたせ先輩」
佐伯さんは花柄にフリルのついた水着をきていて、とても可愛く見えた。青いワンピースのときもとても可愛かったけど、水着姿というのもまた別の可愛さがある。
「どうですか?先輩。私の水着姿は?」
「あ、ごめん。あまりにも可愛くてすっかり見とれちゃったよ」
「本当ですか?それじゃ、プールに行きましょう」
結局、可愛いとしか言えなかったが、佐伯さんは嬉しそうにしていた。今の褒め方で良かったのか?
「先輩って、こういうウォーターパークには来たことあるんですか?」
「いや、初めてだよ」
とりあえず流れるプールで、ゆったりと流されながら泳いでみる。
「それじゃ、私は先輩の初めての相手なんですね」
「うん、その言い方は誤解を招くからやめよう」
「えー。どんな誤解なんですかぁ」
これはとても言い返せる気がしない。
「次はどこで泳ごうかな?」
「誤魔化していますね。まぁいいでしょう。次はウォータースライダーです」
「あの滑り台みたいなやつね」
「そうです、混む前に行きましょう」
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