第30話:応援2
2日後に再び体育館に行った俺はバスケット部のときと同じように2階からバレー部の応援をすることにした。バレー部の宮沢さんはスパイクにブロックと二年生ながら試合で大活躍をしていた。特に長身だけあってスパイクが決まったときの格好良さは誰もが一目惚れしてしまうぐらいのものがあった。しかも学年でトップクラスぐらいに可愛いのだ。イケメンの池上も好きになるのもわかる。
もし自分がモブじゃなかったら?今は同じクラスで一緒に勉強会をやっているからこそ、仲良くできていてこうして応援にも来ることができてる。これ以上の感情を持つことは許されないような気がした。
いかんな、余計なことを考えすぎた。応援すると約束したことだし、声もかけておくことにしよう。
「宮沢さん、ファイト」
コートチェンジのときに声援を送ったところ、宮沢さんは小さく手を振ってくれたので、こちらも手を振り返しておく。これで約束は果たせたかなと思ってホッとしていると、何やら視線を感じるような気がした。コートを見渡してみると、男子バレー部からのこちらへの睨みが凄いことになっている。これは、宮沢さんの応援をした俺に対する警戒なのか?美桜を応援したときにも、俺に対するヘイトがかなりあった気がするが、宮沢さんは格段に凄い。さすがは宮沢さんと感心すべきところなのだろうか?
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「最上君、応援ありがとう」
宮沢さんが試合後に応援席まできてくれた。
「宮沢さん、すごい活躍していたね。特にスパイクは格好良かったよ」
「そう言ってもらえると嬉しいな」
宮沢さんの笑顔は嬉しいのだが、またもや男子バレー部からの睨みが凄い。というか宮沢さんが笑顔になる度に、一層睨みが凄くなる気がする。
「この後も、まだ試合があるの?」
「うん、すぐにミーティングがあるから戻らないといけないんだ」
「最後まで応援するからがんばってね」
「うん、それじゃ行ってくる」
俺は男子バレー部に睨まれつつも、応援を続けるのであった。
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「ねぇ、夏樹。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「どうした美桜」
その日の美桜との勉強会では、始める前に美桜から質問があった。
「今日、体育館でバレー部を応援していなかった?」
「あぁ、クラスメイトに頼まれたからな。なんで知っているの?」
「バスケット部はトレーニングのみでトレーニング室にいたのよ」
「なるほど」
宮沢さんといい美桜といい、俺が応援した声がトレーニング室まで聞こえるものなのだろうか?まぁ換気のために窓を開けてあるというのはあるかもしれないが。
「それで応援していたのは女の子?」
これまでの勉強会での美桜は、勉強については嫌そうな表情をしているが、機嫌そのものは悪くない感じだった。しかし今日はなぜか凄く冷たい表情になっている。なにがあったんだ?
「あぁ、同じクラスの宮沢さんにお願いされてね」
嘘を言うわけにはいかないので正直に答えることにする。しかし、美桜の表情はさらに冷たいものになった。なにか回答を間違えたのだろうか?
「宮沢さんてあの可愛くて有名な女の子だよね。夏樹と仲がいいの?」
「いや、クラスに数人で勉強しているグループがあって、そこで一緒なだけだよ」
「そのグループには他に男の子はいないの?」
「村瀬という奴がいるな」
「その村瀬君は応援に来ていた?」
「いや、俺だけだな」
「なんで夏樹だけが誘われているの?」
いつも勉強会ではすぐに本題の勉強に入っているのだが、この日だけはこのようなやりとりがずっと続くことになってしまった。質問というよりも尋問と言ったほうがいいような感じがするのだが、なんでこんなに問い詰めてくるのだろうか?
いつもなら雑談になってもすぐに勉強に戻るように言えるのだが、今日はとてもそんなことを言えるような雰囲気ではなかった。
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