第23話:夏休みのバイト
期末テストが終わるともうすぐ夏休みだ。俺は前回と同じく海の家でバイトをすることにしていた。海水浴場に隣接した宿泊施設と、ビーチにある海の家を両方経営しているところがバイトを募集しているのだ。日帰りで行けないこともないが、かなり遠いところにあるので住み込みで働けるというのが良かった。両親は海外出張で夏休み中は不在なので、丁度良かったというのもある。
ただ前回はあまりにも仕事量が多くて、途中で何回かダウンしていた覚えがある。今回は異世界で特訓を受けたこともあって体力には自信があるから大丈夫だろう。なにしろ朝は宿泊施設の風呂掃除から始まって朝食準備とチェックアウト後の片付け、昼は海の家、夕方からは宿泊施設の夕食準備と休む間もない、まさにブラックなバイトだったのだ。ただしバイト代はかなりの額だったが。
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「最上は夏休みどうするんだ?」
「バイトの予定。海の家で住み込みで働くんだ」
「おー。いいねー。海の家で女の子と仲良くなって一夏の恋に落ちるか」
「そんな甘い世界なわけないだろ。めちゃ忙しいんだよ。そういう村瀬はどうするんだ」
「俺は部活動だな。夏合宿もあるしな」
「ということは夏合宿で同じ部の女の子と仲良くなって恋に落ちるのか。二学期になったら紹介してくれ」
「そんな甘い話があったらいいんだけどなー。それどころじゃないだろうな」
どうやら二人とも一夏の恋はなさそうだ。
「森岡さんと向井さんの予定は?」
「私は家族で旅行かな」
「私は実家が長野だから、長野で過ごす日が多いと思う」
二人とも家族で過ごすみたいだ。
「宮沢さんは、やっぱりバレー部?」
「うん、村瀬君と同じで夏休みは部活動と夏合宿の予定。練習試合もあるし」
「ということは夏合宿で同じバレー部の男の子と仲良くなって...」
「それはないから!」
宮沢さんから強く否定されたので、それ以上は言わないでおいた。なんでだろう?村瀬を見ると、お前が悪いというジェスチャーをしている。
「ごめん。なんか茶化すような言い方をしちゃって。宮沢さんはバレー部にちゃんと取り組んでいるんだものね。夏休みも部活がんばってね」
「あっ、そういう意味ではないんだけど、でも部活がんばるね」
なんとか宮沢さんの機嫌もなおったようで、良かった。
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「先輩、夏休みはどうするんですか?」
「海の家で住み込みでバイトするつもりだよ」
「えー。夏休みに一緒に遊べないんですか?」
佐伯さんが何気なく俺と一緒に遊ぶと言っているけど、なんで俺と?まぁおそらくいろいろな友達と遊ぶ予定を立てているのだろう。そのうちの一人ということならありなのか?
「それなら、先輩のバイト先に私も遊びに行こうかな?」
「友達も含めて数人なら奢ってあげるよ」
「先輩に会いに行くんだから一人で行くにきまっているじゃないですか」
えっ、一人なの?一応、日帰りはできる距離ではあるが、かなり遠い。そんなところに一人で来るのか?しかも以前の待ち合わせでも、数分の違いですでにナンパされていた。海なんかに一人で来たら凄いことになりそうだ。
「いや、一人で来るのは危ないだろう。バイトはお盆までだから、その後ならなんとかなるよ」
お盆を過ぎると海水浴客も減るということでバイト期間はお盆までとなっていたのだ。
「それじゃ、夏休み後半は空けておいてくださいね。行き先は私が行きたいところでいいですよね?」
行き先がおまかせになったけどいいのだろうか?でも前回は買い物だったし、今回もきっと買い物に付き合ってということになるだろうから、大丈夫だろう。
「うん。いいよ」
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「夏樹、夏休みはどうするの?」
「海の家でバイトの予定だよ」
「そうなの?じゃぁ、この勉強会は?」
「住み込みでのバイトだから、その間は中止だな」
「そっかー」
「美桜~なんか安心してない?」
「そんなことないない」
「大丈夫、ちゃんと中止の間にやっておく分の宿題を出しておくから」
「ちょっと!学校の宿題もあるんだよ!」
「バイトはお盆までだから、そこまでに終わらせておいてね。お盆明けから勉強会再開するから」
「鬼!」
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