第22話(別視点):幸せな日
井上美桜 Side:
夏樹のおかげで期末テストの成績がかなり上がった。毎日、私のために問題や説明のための資料を用意してくれて、夏樹には感謝しかない。ちょっとスパルタすぎるのが玉に瑕だけど。
「お母さん、期末テストでこれだけ成績上がったんだから塾はいかなくてもいいよね」
「そうね。これだけ上がったなら行かなくてもいいわね。ただし、このままならね」
「このまま?」
「そう、このまま夏樹君との勉強会を続けること。それが条件よ」
なぜかお母さんからは、夏樹との勉強会を続けることを条件にしてきた。別にそれはかまわないというか、かえって嬉しいんだけど、なんでそんなにこだわるんだろう?いずれにしても、これでバスケットを続けられるし、これからも夏樹とも毎日会えるからいいんだけどね。
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夏樹にはお礼にお願い事を一つ聞くと伝えたら、映画に一緒に言ってほしいと言われた。どうやらその映画は恋愛ものらしい。恋愛ものの映画ってことは、これってデートの誘いということだよね?すごく楽しみだな。早く週末が来ないかな!
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「美桜を夏樹君にあげるっていうのはどう?」
支度が間に合わず、お母さんに応対してもらっていたら、なんてことを言うかな!拒否されたらショックで立ち直れないと思ったけど、夏樹は返答に迷っているみたいだ。ということは夏樹も意識しているってことなのかな?いやいや、まだ早すぎるでしょ、こんな話。夏樹にはとにかくお母さんの言っていることは忘れるように念押ししておいた。
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夏樹が誘ってくれた映画は好き同士だった二人が、すれ違いから別れてしまうというストーリーだった。二年生になって夏樹から話しかけてくれて、中間テスト以降は毎日のように一緒に勉強するようになって、しかも私のために問題を作ってくれたり、いろいろと助けてくれた。ずっとこの関係が続くといいなと思っていた。それなのにあの映画のように将来離れ離れになってしまったとしたら...そう思うととても悲しくなってしまった。
「幼馴染として必ずずっと応援するよ」
でも夏樹は大丈夫と言ってくれた。幼馴染としてという言葉には少しモヤっとしたけど、でも私が何を目指しても必ずずっと応援してくれると言ってくれた。なぜかは分からないけど、すごく安心することができた。夏樹からは名前で呼んでもらえるようになったし、今日はとても幸せな日だったな。
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