第15話:買い物2
調理用品の店というのは、通販が幅をきかせるようになった今でも需要があるようで、街には有名なレシピ研究家の店などいくつかの店があった。俺もフライパンなどは、やっぱり実際に持ってみないと気に入るかどうかわからないので、通販を使っていなかったし、同じように考える人も多いのだろう。
「先輩、このミトン可愛くないですか?」
ただ可愛いミトンというのはわからなかった。どれも可愛く見えるし、佐伯さんの言う可愛いミトンと可愛くないミトンの違いもわからない。こんな分かっていない俺に、なぜ買い物に付き合ってほしかったのだろうか?
「そうだね。可愛いかな?」
「先輩、ひょっとしてわかっていなくないですか?」
わかっていないことがすっかりばれたらしい。
「先輩、これは可愛いですか?」
「えーと、可愛いかな?」
「これは?」
「うーん、可愛いんじゃないかな」
「ブー。先輩は成績はいいのに、可愛いがわかっていませんね。ひょっとして駅で私を可愛いと褒めてくれたのもわかっていないのに言っていません?」
「いやそんなことはないよ。佐伯さんが可愛いというのは本当だから」
「本当かなぁ。まぁいいです。これからは私が先輩に可愛いを教えてあげます」
「師匠、よろしくお願いします」
「それじゃー。まずはこれですね。これは可愛いです」
佐伯さんはとびっきりの笑顔でどれが可愛いのかを教えてくれた。あいかわらず可愛いミトンはわからなかったけど、佐伯さんが間違いなく可愛いことだけは確信できた。
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可愛いを教えてもらったりしているうちにけっこうな時間が経っていたのか、ミトンを買ったのはランチタイム少し前ぐらいになっていた。
「そろそろランチタイムだけど何か食べていく?」
「どこかオススメの店ありますか?」
「そうだなぁ。ハワイアンカフェとか?フワフワのパンケーキが美味しいんだよ」
「美味しそうですね。そこに行きましょう」
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この店はフルーツパンケーキが有名なので、それを2人で注文した。
「先輩、これすごい美味しいですよ。フルーツたっぷりで、しかもフワフワで」
「見た目もすごい鮮やかで凄いよな」
たっぷりのフルーツがのっていて見た目にも鮮やかだが、実際に味も美味しい。この見た目もすごくいいところが、さすがプロだなと思う。
「先輩、午後も大丈夫ですか?」
「特に予定はないかな」
「そしたら、午後はアクセサリーの可愛いを教えますよ。」
「じゃぁ師匠には、午後も講師をお願いします」
「まかせてください。それじゃ、早速行きましょう!」
こうして、後輩に一日かけて可愛いを教えてもらうのであった。
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