第12話:中間テスト
一学期が始まって一ヶ月半ぐらいで中間テストがあった。テストの採点と集計が行われた後、総合結果が各自に返された。
「最上、森岡さん、いっせーのーで結果を見せ合おうぜ」
「村瀬君、なんか自信ありげだね」
「普段、部活動をやっている時間も勉強したからな。けっこういい成績だったんだ。それじゃーそれ!」
三人とも総合結果を俺の机の上に置いた。
「えー」
「うそだろ。最上、おまえ学年3位じゃねぇか!」
なにしろ二回目の高校二年生なのだ。それに前回で就活に苦労した俺は、二回目の今回はもっと偏差値の高い大学に行けるように勉強をがんばることにしていた。そして教授推薦でホワイト企業の内定を取るのだ!
「村瀬は37位か、かなりいい位置じゃないか」
「でも森岡さんが23位だから、この中ではビリなんだよな」
「でも村瀬君は運動部でこの順位なんでしょ。かなり凄いんじゃないかな」
村瀬は脳筋かと思っていたんだが、実は頭も良かったらしい。テスト結果について三人で話をしていると
「最上君、学年3位だったの?」
いつの間にか宮沢さんが近くまで来ていて話しかけてきた。村瀬も森岡さんも少し驚いている。なにしろこのクラスになってから宮沢さんが話しかけてきたことなんてなかったからだ。
「うん、そうだね。宮沢さんは?」
「私は学年6位だったわ。というか、なんでそんなに驚いた顔をしているの?」
「いや、これまでに宮沢さんに話しかけられたことなかったからさ」
「でもクラスメイトなんだから、そんなに不思議なことではないでしょ」
学年でもトップクラスのかわいい女の子は、普通は俺らのようなモブなクラスメイトにはあんまり話しかけないんですよとは言えなかった。でもこれをきっかけに宮沢さんは俺らの席の近くまできて一緒に話すようになったのだった。
□▲□
中間テスト期間は部活動は禁止されていたが、テストも終了して解禁となったので、放課後は調理室に行くことにする。
「最上先輩、中間テストの間、会えなくて寂しかったですか?」
「うん。寂しかったな」
「本当ですか?」
「この買ったばかりのフライパンに会えなくて」
「ちょっとー」
解禁日初日に調理室に来ている部員は少なかったが、佐伯さんは初日から来ていた。
「テスト明けの初日から調理室に来るなんて、佐伯さんも料理が好きなんだね」
「そうだけど、そういう理由じゃないんだけど。まぁいいか。それよりも先輩、中間テストはどうでしたか?」
「まぁまぁかな」
「総合結果見せてほしいなー」
隠すようなものでもないからいいかなと思い、カバンから総合結果を取り出して佐伯さんに渡した。
「うっそ!学年3位なんですか?」
「そんな意外だった?」
「だって先輩って運動が得意そうでガリ勉タイプじゃないですよね?」
「こうみえてガリ勉タイプなんだよ。見直した?」
「ガリ勉タイプだから見直すということはないと思いますけど。でも見直しました」
「それはありがとう」
こうして楽しく部活動を再開したのだった。
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