三話:信じれない現実
突き刺すような視線。その視線が俺を刃で突き刺すようだった。冷や汗が垂れる。
ドクンッドクンッという心臓の鼓動が、鼓膜のすぐそこにあるのかと思うほどに大きな音で響く。
俺は内心焦りながらも、さぞ普通かという雰囲気をだしながら席に座る。
その時島岡先生が手を1回、パンッと叩く。全員の視線が一瞬で島岡先生に向く。
「さて、みんな驚いているかもしれないが彼は人間だ。この異形クラス唯一のね」
異形クラス?先生も狂ってんのかよ。この高校は相当ヤバいところなのか?でもパンフレットとか普通だったぞ!?
そんな思考を巡らせながら、俺はいつの間にか落ちていた目線を上げてみた。
また視線がこちらに向いている。全員がまるで俺を、動物園に行ったら見たことも聞いたこともない動物がいたのかってくらいまじまじと見ていた。唯一見てないのは隣のイブだけだ。
すると、1人が俺に向かって一言、言ってきた。
「鈴井くん、よろしくね!!」
次から次へとよろしくという声が聞こえてくる。隣のイブも、生気のない声で。
まったく、最悪だ。これじゃあ初日からクラス全員に認知されたじゃないか。この頭のおかしなクラスで俺は生きていけるのだろうか?もしかして頭がイカれてないと孤立するとかないよな?いや孤立するなら逆に好都合何だが……。
その後は別に何もなかった。驚くほど普通だった。誰かが問題を解き、誰かが授業中に寝る。休み時間には集まり飯を食べる。
だが俺はコイツラと馴れ馴れしくする気はない。全員が弁当を開き、机を合わせ、飯を食べながら談笑する中、俺はどこに行ったかわかるか?
大体の奴はこう考えるだろう。便所で便所飯か?と、便所飯なんて汚いだろ。
さて、答え合わせと行こうか、そう俺が来た場所は学食だったのだ。
俺は学食の780円で買えるカツ定食大盛りの食券を買い、飯をおばちゃんから受け取り席につく。初日だからだろうか?あまり人がいない、俺が箸を手に取り、いただきますを言おうとした時だった。
隣に誰かが座ってきやがった。音もなく現れたそいつは、黒く、肩までつくような長い髪、生気のない無表情な顔……。
イブだ。
「偶然」
奴はそういう、んなわけねぇだろ。何が偶然だよ。偶然だとしても俺の隣に座るなよ。
少し気になり俺はイブのたのんだ物が何か覗いてみた。
水だ。水だけだ。いや本当に水だけ。
「お前、学食に来たのに、何も買ってないのか?」
「私は水があれば生きていける。問題ない」
お前はナ●ック星から来たのか?水だけで生きていけるだと?人間にそんな芸当できるものか。俺は何も言わずに黙々と飯を食べ始めた。
だがここで異変が起きた。イブが、ずっと見てくるのだ。横から、真顔で、やめろ。何だが笑えてくるだろ。
こうして俺は笑いにこらえながらも飯を完食した。さて今度からは並にしておこう。ギリギリで食えたことに感謝だ。




