二十二話:嘘とホントと
「お前、さっきの尋問嘘ついたろ」
メイリィの口から衝撃的な一言がでた。オレの動きはまるで石化したかのように止まり、ピクリとも動かなくなる。
まずい、とてもまずい状況だ……。もしメイリィに写真について何か知ってるかもしれないということを知られたらオレの身に何が起きるかわからない。
息をすることすら命取りかと思えるほどに緊張の一時が流れる。言葉は一言もない。だが多分メイリィも確信している。オレは何かを隠しているということを、さっきの尋問で嘘を吐いたということを、ゴクリとツバを喉に通す。
メイリィはその場で、腰に手を当てた状態で立っている。目はこちらを睨みつけるように見ている。
「まぁ別にいいんだけどよどうでも、あたしの担当じゃねぇしな……鈴井翼。お前時には大人を頼れよ」
そう言うとメイリィは乱暴に車のドアを締めて荒い運転で帰っていった。
予想外だった。メイリィに嘘がバレたものだからその場で拷問でもされるのかと思ったが……。
そんなことは今はどうでもいい、オレは家のドアを勢いよく開けた。目の前には母と父が立っている。
「お前今日、勝久さんから離されたろ色々と」
父が一言だけ言う。やっぱり尋問についても知っていたのか……。というか勝久の言ってた親の提案と言うのは本当だったのか、少し疑っていたがなんだか少し安心した。
俺が安堵している時だった。父がオレに向かって頭を下げたのだ。
「すまん!説明が遅れていた。お前にまだ人間と関係を持つのは難しいと思って……」
「いや、別にいいよ」
オレは父の言葉を遮った。
「謝らないでくれよ。正直言って感謝してるんだ。オレ、あのクラスで、楽しく過ごせているし、友達もできた。オレはあのクラスでよかったと思う」
俺がそう言うと両親は安心したのかふたりでオレを抱きしめた。少し力が強かったがそれだけ親はオレのことを心配していたのだろう……。
その後、学校であったことや、イブやレヴェラ、メルゼに勇気の事を話た。話は盛り上がり、結局夜遅くまで話は続くことになったのだった。
オレは自室に入り、ベットに横たわる、まだ数分もたっていないだろうに、あまりの疲れにオレは深い眠りについたのだった。
目が覚めると、そこは真っ白な空間が広がっていた。オレは1人その空間にぽつんと立っている。
その時だったどこからか足音が聞こえる気がした。俺が後を振り返ると何かがいた。
わからない、視認できるのに、姿は見えるのに、なぜか言葉に表せない。目の前にいるのにわからない。
やつはゆっくりと歩き、オレの目の前に立つ。そして一言だけ告げた。
「9月に会えるよ……」
そこでオレの意識は途絶えるのだった。




