二十話:尋問と関わり
「着いたぞ。ここが異形管理局だ」
勝久の言葉を聞き、オレはタクシーのドアを開け、外に出る。目の前にはまるでデカい病院のような建物が建っている。周りを見渡しても森くらいしかなく、空もだんだんと暗くなって来ていたので、その建物は不気味な雰囲気を醸し出していた。
一歩踏み出す。その瞬間、オレの脳裏に死がよぎる。漫画やアニメのキャラは殺気を感じ取るが、こんな感じなのか?心臓を鷲掴みにされたような、臓腑をかき混ぜられるかのような、そんな表現しがたい気持ち悪さが、全身に駆け巡っていた。
今にも吐きそうだった。いつの間にかオレの体は2、3歩ほど後退していた。
「メイリィ。殺気をだしすぎだ、こいつが鈴井翼だ」
勝久がそう言うと、建物の上から誰かが飛び降りてきた。真っピンクの髪、整った顔にゴスロリの服、そして手に持ったノコギリのようなギザギザの剣を背中に回していた。
「こいつはメイリィ、本当は別の県担当なんだが、ちょっと緊急事態でな。ここに来てもらっている」
「勝久、そいつが鈴井翼ならさっさと言えよ、少しズレてたら殺してたぞ。本連想ちゃんとしろよガキが」
なんと目の前のゴスロリ野郎は、その清楚顔からは似つかないヤンキー口調だったのだ。おいおい、どこのどいつに刺さるってんだ。
そういえばいつの間にか吐き気は消え去っていた。ついでにタクシーも消え去っていた。
「さぁ中に入れ」
勝久の言葉を聞き、オレは遂に異形管理局へ足を踏み入れた。
と言っても中は数人の人と机、あと部屋に繋がりそうなドアと椅子しかなかった。
「なんかもっとすごいものでも想像してたんだろ?残念だな。ここらは田舎だからな改装とかが全くされねぇ……そしていつの間にかこんなに」
メイリィと言う女、こいつはオレに説明したあとなんと机を蹴り飛ばして天井にめり込ませた。こいつもしかしてパワー系……?いや脳筋か?
「まぁ、座れ話があるからな」
勝久が机に座る。オレは勝久が座った逆方向に座った、隣には不機嫌そうなメイリィが座った。どうやらメイリィも結構オシャレ?をしているらしい、メイリィの近くからは花の香りが漂っていた。
「さて、じゃあ今から尋問を始める。つっても拷問したり、無理やり吐かせたり、嘘発見器使うわけじゃあねぇ。聞きたいだけだ。あと警告」
そう言い終わると勝久は服の内ポケットから何枚か写真を取り出して見せてきた。
オレはその写真に見覚えがあった。そう勝久が出してきた写真。それは俺がイブの家で見た写真と全く同じものだったのだ。
勝久はずっとオレを見つめている。
「この写真について何か知ってるか?」
オレの心臓は再び殺気に掴まれることになった。




