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異世界配送には、配送方式が幾つかある。
精霊便、飛脚便、ドローン便、たんぽぽ便、小人便……
多種多様な世界に合わせて、配送方式が選ばれていた。
そんな配送部門を受け持っているのは、とある惑星から出稼ぎにきている小人族と、これまた未開惑星からスカウトされた魔法生命体、レイスや精霊、ゴーレム部隊。
魔物と言われた異業の者達の、混成部門である。
配送部門をまとめるのは、地球の日本。宇迦之御魂神、日本人には馴染みの稲荷神の、分社から派遣された眷属の白狐、ビャッコさんである。
白狐は古森から送られてきた配送依頼を、自分の部下たちに振り分けてゆく。
「銀河系の魔法区域は、精霊部隊に頼むわ。どうも今回の依頼品の中には、特別客注があるみたいやから、扱いには気をつけてや?」
『はい。ボス』
狐印の帽子をかぶって、元気に返事をする精霊部隊。
「で、新規の顧客、魔王軍への配送はゴーレム部隊にまかせるわ。クレーマーはいないと思いたいけど、何かあれば直ぐ報告を」
『ワカッタ、ボス』
銀のボディにリュックを背負い、腕にゴーレム部隊の印であるバンダナを巻き、これまた狐印の帽子をかぶっている、機械生命体のゴーレムたちが応える。
「神界にはウチが別ルートで送っとくから、あとは新規枠の人間達か。あそこは面倒やな、地球の商品を取り寄せるスキル持ちがぎょーさんおる。
飛脚便と、隠蔽処理した小人族で頼むわ」
『了解です』
動きやすい服装の青年と、その青年の肩にちょこんと座っている小人族が返事をする。
「今日の配送情報は、各自の携帯端末に送ってあるから、忘れずに確認しとくんやで?
あと、これだけは忘れずにな。なんか自分に負えない事があったら、ーほうれんそうーやからな」
『報告、連絡、相談、ほうれんそうを心掛けて、今日も元気に頑張ります』
運送部隊の格言を唱和すると、各自の持ち場に散らばっていった。
「はぁ〜、朝の忙しいさはこれでひと段落やな。さてウチも、自分の担当分を配達せないかんわ。
って、なんやこれ? こんや依頼あったやろか」
白狐の目の前には、シークレットと書かれた封筒が浮かんでいた。電脳世界に似た流通世界とは不釣り合いな封筒。紙からは微かに香の香りが漂う。
故郷の風習を知っている者からだろうか、白狐は封筒を開ける。
そこには、流暢な筆文字で書いた文字が現れた。
「日本の食材を定期購入希望。差出人は……先輩?
ほんまかいな」
白狐は目の前の便箋を静かに凝視するのだった。




