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それは死の色だと固定されたくない
諫山実生 - 月のワルツ
を 聴きながら
””
それは死の色だから、人に使うのは違和感があるというのは、少し違うと思えたのだ、上手く説明できないけれど、死の色は、特別だから死の色ではない。死の色は、特別ではないからこそ、死の色だ。
死は、ありふれていてわりかし簡単に人の前に現れる――まるで前兆などなく、まるで、死にとらわれるようにさらわれるように
それは、ひどく儚い。繊細でさえある。その色濃く残る死の合間、人は一滴の美を垣間見せることがあって
それは、妊娠中の女性でもそうだし、
それは、なにか極限状態の人でもそうだ。
認めたくなくとも、そこには、はっと思わず絵筆をとりたくなるような、
認めたくなくとも、そこには、思わず記憶の一枚に収めてしまいそうな、
哀しいひととき。
生に向かっている人と死へ向かっている人、それらは対極にあるはずなのに、どちらも美しい命の穂を燃やす。
文章なんて、一時の美をそこに刷毛でぶわっと塗りたくるように描き重ねたいとそう願う作業のようなものだ。
一瞬のそういったどこでも見えることのないはずのそれを
描きとめたくなる
それは、色濃い死を意識していなくとも
それは、美というものだけ独り歩きして




