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僕らが見つけた普通の幸せ~不完全な僕たちの未来【君の知らない僕のダークサイド〜救われるもの【完結編】  作者: 水波瀬 凪


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【番外編】拓海(みーくん)のその後

不審者のストーカー呼ばわりされていたのに、(なぎ)のおかげで少し「いいひと」に見られるようになったのは嬉しかった。


ゆいちゃんからも言われてきたことなんだけど、俺の癖。


女の子を、犬にたとえる習性がある。


結菜(ゆいな)はマルチーズだろ、優芽(ゆめ)はトイプードル。


チワワの子もいたし、ポメラニアンもいた。


でも、マルチーズがやっぱり俺の一番だった。



最近になって凪から、


「パピヨンなんかどう?」


と言って、凪の元カノ? 


莉愛(りあ)って女の子を紹介してもらったんだ。


「俺が莉愛紹介したって絶対秘密にしろよな」


と、ゆいちゃんには秘密だし、莉愛にも秘密だと念を押された。


あくまでも、偶然の出会いを装えって言うんだけど、できるかな?




その莉愛ちゃんの行きつけの、おしゃれカフェで、ぶつかれって凪に言われてる。


「あ、すみません!」


「え、大丈夫ですか?」


みたいな会話。


写真で見せてもらったよりも、動いてる莉愛ちゃんは、すごくきれいだった。


なんだこの、花束みたいな香りは。


それに、ふわふわとしたロングヘアはたしかに「パピヨン」みたい。


凪、おまえセンスあるなって思った。


でも、この子を断って、ゆいちゃんを選んだってことは、やっぱりゆいちゃんのほうが「上」なんだろうか?


などと失礼ながら比べてしまった。


だけど、持ってるバッグは、見るからにハイブランドのもの。


着ている洋服も、靴もきっとそうで、美意識は高そう。


お金好きそうだな。



合うんじゃないか、と第一印象で思ったんだ。



そのときに、LINEのIDを手書きした名刺を渡しておいた。


凪から、『名刺は必須アイテムだからな』と言われていた。


凪が言うには、俺の会社名は強力なんだそうだ。


その後、無事に連絡が来ることになる。



でも、


「拓海おまえ、顔はいいのに話がクソつまんねーんだよ」


そう凪から言われてたから、どうしようか悩んでいたんだ。


そしたら凪経由で


「これな、優芽から借りてきた、あとから返せよ」


と、渡されたのは「恋愛攻略本」だった。



暗記は得意分野だから、一夜漬けで頭に叩き込んで、莉愛との初デートにのぞんだわけなんだけど


「なんか、面白い人ですね、拓海さんって」


どこが?


なにが?


面白い?


あ、えとこれって、成功ってことなのか?


莉愛ちゃんはくすくす笑ってくれている。


「また会ってください」


と言われたので、やっぱり成功だ。



とりあえずの成功を凪に報告することと、優芽ちゃんに借りてると言った本を返す目的で凪と待ち合わせた。


土曜の午後、場所は優芽ちゃんのカフェだ。


「あ、いらっしゃーい拓海さん」


いつもの笑顔で迎えてくれる優芽ちゃん。


そしていつもの常連席に座って凪を待つ。


「あ、これ借りてた本なんだけどありがとう」


優芽ちゃんは本を受け取りながらこう言った


「で、これって役にたったの?」


「うん、すごく役に立った」


良かったねとか、そういう答えを期待していたのに


「へえ、そうなんだ、変なの」


と言われてしまった。


え、変?


「凪くんがうちに来て、勝手にこれ借りてくねーって言って持っていったんだけどさ、良く見てみなよ」


「え、どういうこと?」


「恋愛攻略本じゃないよ、変愛攻略本へんあいこうりゃくぼんだよ」


「え!!!!」


「でも、成功したなら良かったじゃん、変人っぷりが受けたって!」


めちゃくちゃ笑われてしまったけれど、ああそうか、だから「面白い人ですね」だったんだなと理解した。


その後すぐ、凪が来て、その本のことを言うと


「わ! 拓海ごめん、てっきり恋愛本かと思った」


「わたしの読む本の傾向、まだわかってないんだね凪くん」



そんな波乱があったものの、


「おもしろーい」


会うたび、莉愛ちゃんが笑ってくれるので、良しとしよう。


あの本の内容、しっかり記憶してしまったからな。


これからは「面白い男」として生きてゆくのも悪くないなと思っている。




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