【番外編】凪と優芽の作戦会議
優芽のカフェ、いつものカウンター席。
土曜日の午後、凪は紅茶を飲みながら、拓海からのLINEを開いている。
「すっかりその気になってるみたいだね、拓海さん」
優芽はクスクスと笑いながら、目の前でスマホをいじっている凪に視線を向けた。
「マジで変愛攻略本なのに……いや、むしろ変愛攻略本で、莉愛を落としたなんてな!」
凪は呆れたような、しかしどこか楽しげな声をあげる。
「うん。『変人っぷりが受けたって!』って。これからは『面白い男』として生きるって張り切ってたよ」
「まぁ、結果オーライだろ。莉愛もあいつの独特なペース、嫌いじゃないみたいだしさ」
凪がそう言って紅茶をひとくち飲む。
「でもさ、ホントあの『変愛攻略本』の件は笑ったよね」
優芽が楽しそうに両手を叩く。
「凪くんが適当に持ってきた本があれだもん。拓海さん、真面目に全ページ暗記したんだってよ?」
「いや、俺もまさか本棚の端っこにあんなやべー本があるとは思わなかったんだって! タイトル似てんじゃん、『恋愛』と『変愛』って!」
「ちゃんと恋愛本もあったのに」
「あいつ、顔だけはいいんだから、勝手にモテるんだよな。莉愛だってお金持ちのイケメンに言い寄られて、まんざらでもなさそうだったし」
凪は満足そうに腕を組んだ。
「さて、と」
凪はテーブルの上のカップを片付けながら言った。
「じゃあ、拓海と莉愛の恋の応援、この調子で第二段階行くか!」
「え、まだ何か企んでるの?」
凪は笑うと
「今度は美術館デートだってさ。優芽、なんか変な恋愛心理テストでも仕込んどいてよ」
「えー? 面白そう、やってみる!」
優芽がパッと顔を輝かせる。
カフェには2人の心地よい笑い声が響いていた。
優芽と凪の共犯関係も、まだまだ続くようだ。




