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僕らが見つけた普通の幸せ~不完全な僕たちの未来【君の知らない僕のダークサイド〜救われるもの【完結編】  作者: 水波瀬 凪


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第18話【凪side】笑いあう今日と少しの余白~エンディング

【エピローグ】


花火大会のときって毎年、遥希んちでピザとポテト食ってたんだ。


それが今年はない。


「ピザ食いたい」


結菜に言ったら、頼む? っていうからさ、だったらピザ買って遥希んち行きたいってわがまま言ってみた。


「なんだ、結局行きたいんじゃん?」


もう、しようがないなぁって結菜は言って、俺の望みをかなえてくれた。


いきなり突撃、遥希はびっくりしてたけど、すぐに笑って、


「やっぱり来たか」


って感じで快く中に入れてくれた。




優芽がソファーに座ってるのを見てたら思った。


まだ全然、お腹大きくねーな、って当たり前か。


優芽なら、お腹触らせてって言ったら、触らせてくれそう。


でもな、結菜には怒られるんだろうな。


聴診器みたいなやつ、あれでお腹のなかの音って聞けそうだな、聞いてみたいな、などとずっと考えてる。


あの優芽が、お母さんになるなんて、奇跡じゃんね?


そういや遥希、キセキ良く歌ってたよな? 遥希がキセキを呼んだのか?


やっぱ歌の力ってすごいな。



なんだか、しんみりする。


命の誕生、すげーな。



「そういや遥希、ここ引越すんだっけ」


「ああ、優芽のカフェにもう少し近く、あと部屋ももう一部屋くらい多いところがいいかなって話してる」


ここ、お気に入りだったんだけど、引っ越すの残念。


だけど事情がそれだから、しかたないかと自分に言い聞かせるんだけど、ほんとにさみしい。


「引っ越しても、また遊び来ればいいじゃん」


遥希優しいな。もちろんそうするつもりだ。



それにしても、振り返ってみたらここ最近いきなり、いろいろ激変してるよ。


単なる合コンの頭数合わせで無理やり行って、結菜と出会った。


そしたら次は遥希が優芽を紹介しただろ?


そうしてるうち、悠真さんが美咲さんとつきあって、そこも早くも結婚話だろ?


優芽が妊娠なんかして、遥希まで結婚。


拓海とも友達になった。


湊のことも、優芽と一緒に思い出にできたしな。



去年の今頃って、なにしてた? まだ、適当に遊んでた。


去年の俺が今の自分見たらなんていうだろ?


「おまえなに落ち着いてんだよ、良く一人の女で満足してんな、ありえねー」


みたいな感じだな。間違いない。


「凪、ぼんやりしてると、ポテトなくなるぞ」


遥希に言われてふと見ると、優芽がぱくぱく食ってた。


「あー俺のポテト、そんな食うなよ」


「え、ダメなら名前書いとけば?」


2人分食べてんのって優芽は言うけど、まだそんなお腹大きくなってねーだろって。


でもまあ、許してやる。


あんなに子どもいらねー、嫌いだとか言ってたくせにさ、めちゃ変わった。


しかもいいほうに変わった。


そうだ、昨日のLINEで、ありがとうって言われたんだっけ。


「凪くんのおかげで、いろいろ吹っ切れた」って。


「別に、なんてゆーか、ほら、時間って有限だからな、悩んでるのってもったいない。」


俺、人より5年分くらい長く眠ってたからな、遊び足りてない。


しかも、俺のアオハルは夢の中で過ごしたようなもんじゃね?


中学、高校行ってさ、部活なんかやってたら、絶対モテてたはずなんだ。


でも、それ取り戻す勢いで遊んだし、まあいいかって思わなくもない。


目覚めてから今日まで、濃い日々だったぜ。でも本音は、まだもう少し足りない。だからまだ結婚は先でいい。


あと5年後くらいかな?


そしたら俺も結菜も、ヤバもうすぐ30じゃんって焦り始めるだろ?


俺の計画によれば、その頃には貯金も貯まり、借金ゼロになってるんだ。


ちょうどタイミングいいから、そしたらプロポーズする。


そのときまで、結菜、そばにいる?


まあ、簡単にいえば


「別れよう」


て、言わなきゃ続くんだ。


あーでもな、予約くらい先にしとくのもいいかも。


「結婚する前提」てやつな。


きっと結菜だって、俺なんかとつきあってしまったせいで、一般的な男じゃ物足りないって。


そんなこと考えてたから、ポテトなくなった。


ああ……。


食いながら考えれば良かった。


でも優芽、満足そうな顔で笑って楽しそうだ。


いつの間にか、結菜ともわだかまりなくなってるみたいに見える。





結局のところみんなそれぞれ「自力」で救われてる気がする。


他力本願借りつつの自力。


な、成長した。


いい仲間に出会えて幸せだよな?


これからも、みんなで「この関係」を大切にしてゆこう、なんて思っていた。




「遥希、俺シャワーしてくる」


遥希の家に置いてるシャンプーは俺のお気に入り。


ここ来ると使いたくなるんだ。


シャワーを終えたあと、洗面台の鏡を覗き込んだ。


鏡の中にいるのは、いつも通りの俺、だ。


鏡に顔を近づけ、慎重に右目にカラコンをつける。


「……よし」


俺はもう一度、鏡の中の自分に笑いかける。


そして、ドアを開けた。





最後まで読んでくれてありがとうございました。

こちらでの更新は、しばらくおやすみします。


https://estar.jp/users/2042059513

エブリスタ 水波瀬 凪‐nagi‐


こちらにいますので、よかったら、きてください。

ヒューマンドラマ風の恋愛小説、ラブコメ、ライト系甘めBLなどを書いてます

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