第6話【凪side】優芽のSNS炎上とインスタDM
「ただのつぶやきなのに、知らない人からなんで説教される?」
優芽が悔しそうに俺に言ってきた。
優芽のSNSサイトが燃えてるって。
「そんなのやってたんだ? 教えて、見に行く」
「え、誰にも内緒でやってんのに?」
だってさ、そこまで聞いたら見たくなるじゃん?
「誰にも言わないなら教える」
見に行ったら614万ビュー? コメントも200件以上あった。
「確かに燃えてたな」
あんなのってさ、誹謗中傷とかやられたらメンタルやばくなるやつだよな?
どんな内容を書いてるかって、ありのまま。
俺のこととか、拓海のこととか、遥希のことはもちろんだし、元カレのこととかいろいろ書いていた。
「わたし、はるくんを下僕にしてるんだって書かれた」
「下僕! なんだそれ」
「確かにはるくんは、至れり尽くせりしてくれる。わたしもいろんなお願いするし、そんなふうに人から見られるのも仕方ないのかな」
ポストされたものをたどっていくと、拓海にもらったものを平気で遥希んちでつかってるなんてひどい、みたいなことも書かれてたけどさ、なんで?
別にいいじゃん。
もらったものは、優芽のものだし、捨てるのもったいなくて、大事に使ってるのに、なにが「ひどい」んだろ?
俺だって元カノからもらった服とか、シャンプー類とかもそうだけど、使ってる。
シャンプーは結菜も使ってる。
あーそうか、SNSサイトに書くからか。
なにも知らないくせに、他人が余計なお世話言ってるだけじゃん。
そんなことを、優芽に言ってやったんだ。
「それはわかるけど、あまりにも大勢から書かれると、へこむよ」
でさ、さらに過去を遡って読んでたら、見過ごせねーな、これは、て内容のを見つけた。
以前から優芽は『はるくんには言えない秘密』があると漏らしていた。
そしてそれは、俺にもまだ言えてないって。
もしかしたらこれ?
これが優芽が遥希に言えないこと? なのかもって感じた。
それを、優芽に聞いたら
「あ、見られちゃったか、でもいい。凪くんには言おうかなって思ってたから」
なんだかすっかり、ちゃんと「相談相手」やれてるな、俺たち。
「優芽はさ、すっげーやばいことって思い込んでるのかもしれない。けどさ、大したことないとも言えないかもだけど、もう優芽、反省も後悔もしてるんだから、許されていいんじゃね? て俺は思ったよ」
我ながら、素晴らしい答えだな。
「遥希もいるし、なんなら俺だって、将来優芽のこと助けることもできるし、ひとりで抱え込むなって思うけどな」
一見すると、優芽って強そうだけど、たぶん弱い。
弱そうに見えるけど、結菜のほうが強いんじゃねーの?
そんなことを思ってた。
俺って頭悪いから、間違えてるかもしれない。
でも優芽は、
「ありがとう凪くん。わかってもらえる人がいるって、幸せなことなんだね」
「な、なんだよ、急に素直になるのって、何かの罠?」
こんなやり取り、結菜がシャワーしてるときにやってるんだけどさ、優芽との会話につい夢中になってしまって、後ろから覗き込まれてることに、俺は気づかなかったんだ。
「なんの、罠?」
ふいに声をかけられ、びっくり!
「え、結菜!!」
慌ててスマホを閉じようとしたんだけど、結菜に奪われてしまった。
あーバレた、終わった…………




