第5話‐②
俺の家のバスルームには、優芽がその拓海にもらったという、バスソルトが置かれている。
ハイスペエリートらしい拓海にもらったそれは、高級品なのか、いい香り…ではあった。
ついでに言うと、リファのヘアアイロンもここにある。
これも拓海からのプレゼントらしい。
「はるくん、わたしうまく巻けないから、はるくんが練習して巻いて?」
そういわれた俺は、美容系の動画を見て練習した。
そして最近では、
「すっごい、はるくん美容師みたい!」
ほめてくれることも増えていた。
「気持ちいいね、バスソルト少し濁り湯っぽくなるから、湯船に浸かってる間は恥ずかしくないね?」
向き合って湯船に浸かりながら話す優芽は、笑顔だ。
「ねえ、はるくん、髪の毛洗って欲しい、体も洗いっこ、しようか?」
言われるままに優芽に従う俺。
「そんな見るなよ」
「いいじゃん、もう全部見たもん」
「いや、それはそうかもだけど、ここ明るいし……」
「攻守交代かよ!」
「は? 優芽何言ってんの?」
時々、優芽は意味不明の言葉を発する。
それがどういう意味なのか、聞いてもこんなふうに教えてくれないんだ。
「や、なんでもなーい」
優芽がシャンプーを手に取って、髪を洗ってくれる。
「目は閉じててね」
シャンプーのいい香りがバスルームに広がる。
バスソルトのにおいと混ざっても、おかしくない香り。
「水責めだー!」
いきなりシャワーを頭からぶっかけられた。
「は? 何すんだよ、お返しだ!」
優芽の手からシャワーを取り返し、頭からぶっかけてやった。
2人でびしょ濡れ。
お風呂で濡れるのは当たり前なんだけど、髪の毛からポタポタと水滴が落ちてる。
「はるくん早くベッド行こ」
「え、あ?」
変な返事。
「ここでしてもいいよ」
「いや、ここじゃちょっと…」
「じゃあバスタオルでぐるぐる巻きにしたわたしを、ベッドまで運んでもらいたい」
「わかった」
優芽の希望通り、体をバスタオルでくるむと、抱き上げる。
「わ、軽いな」
優芽の体は、思った以上に軽くて華奢で、庇護欲がそそられた。




