14、愛のかたち
「お兄ちゃんは『ヨモツ』のこと好き?」
「家族に好きなんて要らないよ」
「ヨモツは『ヒルコ』のこと好きだよ」
アマテラスAIを公開して「後悔」しているツクヨミは、一人部屋でスマホを眺めていた。
アマテラスAIが引き起こした事件、暴走、全てを眺めながら大きく息を吐く。
「やっちゃったなぁ……」
もう戻れない。アマテラスがどれだけ凄くても、利用する人の使い方次第で善にも「悪」にもなってしまう。
「文也の所為……にしたいな」
最低な案を呟いてクスッと笑ってしまう。
確かに文也がぶつかって来なければ、アップロードする事はなかった。でもそのページまで行っていたのは僕の所為だし、世界を犠牲にして初めて「友達」が出来てしまったのも事実。
「文也……僕のことどう思ってるんだろ」
まるで恋する乙女の様な呟きを、確かに「スサノオ」は聞いた。
ドアの前まで来ていたスサノオは、足音を立てないようにひっそりと自分の部屋へ戻っていった。
「凄かったよね!一瞬で化け物をバーンって!!」
「音も無く倒してましたね…」
下を向いて歩く文也。慰め方を模索しているヒカネ。そっぽを向きながらも一緒に歩くタツキと、地獄の様なグループで帰っていた。3歩後ろにカヘも居る。
「思うにあれは『時を止めた』んだと思います!ボクの力と似たような!」
「ヒカネさんも時を止めれるの?」
「『さん』は要りませんよ!ボクは時を止めて『思考』が出来ます!」
ヒカネは得意げに言った。
「すご…」
「まぁ寂しくなってすぐに解除しちゃいますけどね」
「理由しょぼ……」
凄い能力の代償になっているのか分からない。文也はもう一つ質問をする。
「主にどんな使い方を?」
「そりゃ勿論カップリン……」
足を止めて文也を見るヒカネ。
「内緒!」
冷や汗をかきながら、人差し指を口に手を当てて言った。そして逃げるようにどこかへ行ってしまった。
「えぇ……」
カヘは困惑した。




