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「ジグ」:新たな神話  作者: らゐをふ


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15/15

邂逅:「カムイ」

「聞いてくれよ!俺の『ツッきゅん』が……」

 ここはとある食堂。夜には酒も提供する為、溜まったものを吐き出さんとする客で賑わっていた。

「ツッきゅんが…男を知った……!」

「ブッ……嘘だろ!?」

 『スサノオ』の魂の叫びに、聞いていた男は焼酎を吹いた。

「相手は!?」

「『ふみや』……とか言ったか?」

 その男は強くグラスを机に叩きつけた。グラスは割れ、そこにいた客が一斉にその方向に注目する。

「そ…そんなワケないだろ……」

「おい…まさか知り合いか?」

「あぁ……」

 男は立ち上がり、怒りと絶望の混じった表情で言う。


「俺の……娘の許婚いいなずけだ……!」

 『タツキ』の父は、震えながらスサノオを睨んだ。




 AIによる暴走は収まる気配が無い。今日も文也をはじめとするジグ鎮圧隊は学校中を駆け巡っていた。

「次はどこですか!?」

「体育館!暴れやすいな!!」

 走りながら会話する文也とタツキ。使命とあればどんな関係であろうと関係無い。プライベートの距離感が遠くなった二人でもこの時ばかりは正に「相棒」と言える存在だった。

 目的地に到着すると、すでに流布と鏡花が対峙していた。

「遅ぇぞ!」

「なんかデシャブ…」

 デカい怪物、この四人。既視感のあるシーンだった。

「でも……もう終わってるんですね」

 怪物は倒れ、首から手を生やしている。後はそれを引っ張れば無事に解決と言った状態だった。

「……つまらん」

 小さく、しかし確実に聞こえたその声に文也は周りを見渡す。倒れた怪物に近づこうとする流布に対して、何か嫌な予感がした。

「流布!一旦待って!!」

「一旦!?なんで!?」

 怪物は怪しく光り、生えていた手が「落ちた」。

「は……?」

「流布!?何を…」

 鏡花が怯えながら叫ぶ。

「俺じゃねぇ…ッ!?」

 起き上がった怪物に吹き飛ばされる流布。鏡花は、突然の事に口を抑えて震えていた。

 車椅子に乗った男性がゆっくりと、落ちた手を拾う。

「……『第二幕』と行こうか」

 落ち着いた表情で、男は言った。

「誰ですかアレ…?」


「乱入者には乱入者をってね」

 文也が呟いた後ろから、影のような物が飛んでいく。

「こっちも誰だよ!?」

 タツキがツッコむ。双剣を掲げた、よく知っている人物だった。

「……『ウズメ』 脱いで参る」

『脱がないでね!?』

 既に薄着になりかけていた『ヒカネ』だった。

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