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一章十話 また会ったら、いっぱい話そう

 四人で街を歩いた。


 遊んだ。


 食べた。


 リリーは何度も笑った。


「デーシッシッシッシッ!」


 その笑い方を聞いても、ライトは以前聞いた記憶を思い出せない。


 それでも。


「変な笑い方だな!」


「パパとママと同じでし!」


「そうか!デーシッシッシッシッ!」


 初めて聞いた話として、笑うことができた。


 やがて別れの時間が近づく。


「なあ、リリー」


「何でし?」


「今は辛いことも多くて、暗い国かもしれない」


 ライトは街を見回した。


「でも、この国はこれから変わっていく」


「本当?」


「ああ」


 詳細は言わない。


「だからよ。リリーも、自分の幸せをこの国で探していけ」


「…………」


「きっと明るくて、楽しい未来もある」


 ライトは笑った。


「いつになるか分からないけど、また会ったときに、リリーが見つけた幸せを俺に教えてくれよ!」


「うん……!」


「俺も旅を続けて、自分の幸せを探す!」


 リリーは涙を堪える。


「ライト、ルナ……楽しい日々をありがとう!」


「…………」


「あたし、二人のこと絶対忘れないでし!」


 一瞬。


 ライトの胸が締めつけられた。


 自分は、この少女との一週間をもう覚えていない。


 だから「俺も忘れない」とは言えなかった。


 代わりに、リリーの頭を優しく撫でる。


「また会ったら、いっぱい話そうな」


「うん!」


 ルナはリリーを強く抱き締めた。


「また会おうね」


「うん!」


 ライトは店主を見る。


「おっさん」


「何だ?」


「この国は、これから誰でも自由に幸せを探せるように変わると思う」


「……何かあったのか?」


「詳しくは秘密だ!」


「何だそりゃ」


「だから、リリーが幸せを掴めるように見守ってやってくれ」


 ライトはハピネスドラゴンの鱗を取り出す。


「これ、渡しとく」


 だが店主は首を振った。


「いらねえ」


「高いぞ?」


「金の問題じゃねえ」


 店主はリリーを見る。


「俺は決めたんだ」


「何を?」


「お前を信じて国の制度が変わるのを待つ。もし変わらなかったとしても、それでもリリーを正式に引き取る方法を探す」


 リリーが店主を見る。


「おっちゃん……」


「親父と母親の代わりになれるなんて思ってねえ」


 頭を掻く。


「でも、世話をしていくうちにリリーは俺の本当の子供だと思ってる。」


「…………」


「だから金がなくても、この子は俺が守る」


 ライトは鱗をしまった。


「そっか!」


 満面の笑みを向ける。


「じゃあ頼んだ!」


「ああ」

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