第3.29章 近道と星読みの予言
~神の包丁が待つ場所~
ハーブティーの温かな香りに包まれ、三人が癒されていると――
ミィはぱっと思いついたように目を輝かせ、小さな足で本棚へ駆け寄りました。
「そうだっ!皆さんが向かっているエルフの都・銀緑の都のことでしょう?
普通の道だと迷いやすいし、何日もかかっちゃうんですけど…私だけが知ってる近道があるんです!」
分厚い魔道書を取り出し、パラパラとめくって指を差します。
「この森の奥にある『星渡りの小道』を通れば、たった一日で辿り着けますよ!
私が精霊魔法で道を照らして案内してあげます」
「わあ、本当ですか!?助かります!」仁は喜んで笑顔を浮かべます。
「ありがとうミィちゃん!」
ミィは照れたように頬を染め、さらに真剣なまなざしで続けました。
「実は…古い予言の書に、皆さんのような方のことが書かれていたんです…。
《心を重ねし異なる者、悪しき闇を癒し導く時――
星の祝福を受けし料理人、真実の光を宿す神の刃を手にする》…って」
「神の刃…!まさか神の包丁のことですか!?」
リリスが息を呑んで身を乗り出します。
「はいっ!」ミィは大きく頷きます。
「伝説ではこの包丁は、ただ食材を切るだけじゃないんです。
想いを形に変え、傷ついた心を癒し、種族を超える絆を結ぶ力が宿っていると言われています。
長い間エルフの都に封じられていたけれど…予言の通り、仁さんが現れるのを待っていたのかもしれません」
ルナも感心したように腕を組みます。
「なるほど…魔族の女王の心を癒した仁なら、その使命を受け継ぐにふさわしいわね!」
ミィは立ち上がり、ぶかぶかのマントを翻してにっこり笑います。
「さあ、準備ができたら出発しましょう!
星渡りの小道は少し不思議な場所だけど、私がついていれば大丈夫
いよいよ、運命の包丁との出会いが待っていますよ!」
三人は顔を見合わせ、希望に満ちた笑顔で頷き合いました。
シャイだけど頼もしい小さな魔法使いを案内に、いよいよ最終目的地への旅が加速していきます!




