第31話 ざつだん
父と子ほど年の離れた2人が肉まん片手に真剣な顔で話をしている。
「毎回話聞く度に予想の斜め上なのなんなんですか?」
なかば呆れて聞いてきたのは爽やかイケメンの山西君だ。
「いやいや、本人が一番驚いてるよ。こっちもついていくのに精一杯笑」
満更でもないふうに自ら差し入れた肉まんを食べながら中年男が答えた。
担当患者の急変からはじまり、濡れついだの、おはよーおやすみといちゃこらしている現状。挙句にボイスまでもらってるんだから、予想しろって方が無理だろう。
「でも、なんかよい感じですね。付き合い始めのカップルみたいな」
「実はさ、この勢いで会って卒業しようかと思うんだよ。なんか、それこそ付き合いたてのカップルみたいで、凄く結び付きが強くなってて心地良いけど、彼女は未来があるけどこんなおっさんと朝も夜もやりとりするの建設的じゃないなあって考えてて、それなら会ってそれきりでも良い思い出を作りたいかなあって思うんだよね。」
「自分は今のよしおさんとはなさんのやりとり聞いてて面白いし好きだから、そのまま会わないで続けて欲しいなあ。」
「もっと軽い関係ならそれもいいんだけど、今はゆで卵ブーストでなんともないけど、いつ終わるか分からないし、もともとお互いワンナイトを求めてた訳だからゴールでいいんじゃないかと思うんだよね。」
「なんか、無理にすすめないで自然にまかせてたら上手くいきそうな気がしますよ。また、話聞かせてくださいね。次は水曜日っすね。肉まんご馳走様でした。」月火休みの山西君は作業に戻った。
確かに山西君の言うとおりだ。
焦る必要はないかもしれない。




