第30話 ぼくがいちばんほしかったもの
朝の訪問を2軒終えたところ、みぞれは止む気配がなく更に寒さが増していた。
はなちゃんにDMを送る。
〝何この寒さ笑 〟
〝ほんとだよー
風邪ひかないでね〟
〝ねー今日はやばいね。
気をつける
みんなにカイロ準備しないと
肉まんとか味噌汁のほうがいいかな〟
〝そんなの用意できるんだ
よっしーらしいね(^‿^)〟
〝夏は事務所の冷凍庫のアイス切らさな
かった笑〟
〝さすが笑〟
〝うん、手袋してるのに
手がかじかむ笑笑
がんばりまーす〟
〝手をはーってしてあげられたらいいの
にね。〟
〝ありがとう
はなちゃんのやさしさで
心はポカポカだから大丈夫〟
〝頑張って(.❛ᴗ❛.)〟
やりとりを終え、ハッとする。
何かしらの気遣いのようなことをして感謝や誉めてもらうことはよくあるがその反応に微かな違和感を感じていた。その違和感がなんなのか分からずにいたのが今、突然解決した。
はなちゃんは言った。
『よっしーらしいね』
十年以上答えが出なかったことがある日突然、思いもかけないタイミングで解決し過去の自分が救われる時があると聞いたことがあったが、それがこれか、そして今か、付き合いの長い家族でも友達でもなくSNSで出会ったやり取りも2週間程度の若いナースに教えてもらうことになるなんて。
もしかしたら、他の場面で言われたことがあるかもしれない。でもこの数週間で自分を取り戻しつつある自分にこれほど刺さる言葉で欲していた言葉…
スーパーでスタッフに差し入れのレンチン対応の肉まんあんまん、フリーズドライの豚汁みそ汁を購入し事務所に用意する。
今日ヤバイですね
ささやかですが
肉まん あんまん
豚汁で温まって
下さい マジ感謝
付箋に書いたメッセージがいつになく、イキイキとしているように感じた。




