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戦争の花嫁 bride of war  作者: 護國鬼


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4話 儲け話し 1

この話しは約1年振りに再開しました。他の作品がメインですが気分転換に書いてみました。

 メイヤー大尉の軍用四駆は1時間程走り大尉率いる少女(ドール)中隊、正式名称を第21義勇軍中隊の拠点のあるダナン王国の街、フリードに帰還した。

 街の中にはかつてこの街の支配者であった貴族の建てた館があり、その(あるじ)亡きあと第21義勇軍中隊が占拠していた。


 館の鉄門扉跡で、残っていた第1小隊の少女兵が軍用四駆を認めて丸太で出来た簡易的なバーを上げ、軍用四駆に前進を促す。しかし、メイヤー大尉は車から降りて運転していた少女兵に対して、


 「私は少し街を見て戻る。君は先に戻っていなさい」

 

と言った。


 「しかし、それでは大尉が危険です。私が護衛します!」


 運転していた少女兵は反論した。


 『もし、大尉に何かあればモニカ軍曹や他の中隊の仲間に半殺しにされる。それに大尉との疑似デート、せっかく従兵になったのだから役得がないと!』


 彼女はそんなことを考えていた。大尉は少し考えると、


 「わかった。同行を許可するが軍人2人が軍服を来て歩くと街の人間の注意をひく。マヤ一等兵、私服に着替えてこの門で待ち合わせをしよう。私はこのまま車を駐車して来よう」


 そう言って運転席に乗り込むと発進してしまった。1人残された少女兵、マヤ一等兵は呆然としていた。


 『嘘、私服デート?私服って何を着れば良いの。いやいや護衛なんだからデートじゃあなくて・・・・嗚呼もう!!』


 彼女は寝泊まりしている館の庭に設営された兵舎に駆け込む。


 「ねぇ!デートで、私服、何を着れば良いの!?」


 兵舎の暇な兵士が集まる娯楽室に駆け込むなり大声で叫ぶ。


 「「「デート!!!」」」


 アナンの街の攻略戦に参加せずに待機していた第3小隊の少女(ドール)達が叫び返す。


 「マヤ、貴女作戦中じゃないの」


 「デートって、まさか中隊長と?街の男でしょう?ねっ、ねっ?」


 「ちょっと裏庭で話し聞こうか!!!!」


 怒涛の質問責めが始まる。マヤ一等兵はうかつな自分に焦った。


 「ハイハイ、そこまで。マヤが困ってる」


 1人の少女が他の少女達を制止する。


 「(あね)さん!」


 「可愛くないから止めなさいって言ったわよね?」


 うかつな発言をした少女をその古参の兵は黙らせる。


 「マヤ、本当にデートなの?大尉との?」


 古参の少女は丁寧だが圧のある質問をする。


 「カリーナ三等軍曹・・・、イエ、デートではなく大尉の街の視察の護衛ですが大尉が住民感情に配慮して私服で来るように、とのことです!」


 「なるほど、私服警備なのか・・・」


 古参兵、カリーナ三等軍曹は納得したかのように頷いた。しかし、


 「私服で護衛?実質のデートじゃないの?チッ!」


 「任務なのにデートって言って、浮かれてるわね。チッ!」


 後ろでは他の少女達が舌打ちをしていた。

 第21義勇軍中隊をはじめとした少女兵(ドール)達はブカレスト帝国各地で編成されたが、内乱が膠着状態とはいえ戦場であるダナン地域に送られた彼女達はいろいろと訳ありの人間が多かった。

 前の(・・)メイヤー大尉はそんな彼女達を裏家業の共犯にした負い目でその稼いだ資金を惜しげもなく使い生活環境を整えた。その彼に対し彼女達は故郷での生活よりも豊かな暮らしが送れる現状を感謝しつつ、玉の輿としても狙っていた。


 「事情は理解しました。マヤ、貴女どんな服を持っているの」


 考え込んでいたカリーナ三等軍曹が聞いた。


 「実は、給金は買い食いやら、アクセサリーの小物集めに使ってしまって私服はほとんどありません。生活には支給品があれば困らなかったので・・・・」


 「色気より食い気とはいえ極端ね。大尉が時々くれる軍票はどうしたの?」


 「アレは、仲間内での賭け事で溶けてしまいました」


 カリーナ三等軍曹はため息をついた。


 「大尉に恥をかかせる訳にはいかないわね。こっち来なさい」


 彼女はマヤ一等兵を連れて自室に行く。

 帝国に限らずこの世界の軍隊の兵士は10~20人程度のタコ部屋は当たり前だったがメイヤー大尉の方針で第21義勇軍中隊は個室を備えていた。

 

 「これを着なさい」


 折り畳まれた薄い蒼色のワンピースを衣装箱取り出した。個室があるとはいえスペースは限られており、クローゼットやタンスといった物はなかった。


 「これは?」


 「大尉は一見厳格そうに見えて女の子には甘いし、可愛い子には視線がよくいく。護衛だからズボンとも思ったけど、大尉としてはカモフラージュのつもりでしょうから可愛い系で攻めるわ。武器は拳銃をポーチに入れれば良いけど、持ってる?」


 「はい、持ってます」


 「色は白みたいな落ち着いたのが良いね。赤だとワンピースと喧嘩する」


 「白いのって有るんですか!」


 「・・・・貴女、もしかして拳銃のことを言ってるの?私が言っているのは(ポーチ)のことよ」


 「嫌ですねぇ⁉️分かっていますよ」


 マヤ一等兵は汗が出ていた。


 「まあ良いわ。これは貸してあげるから自室で化粧と準備をして行きなさい」










 


 

 




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