異世界から来た青年はどうやらピエロの親殺しをお手伝いするようです。21
「そう言えば、そうだった。すっかり忘れていたよ。クラウン」
「そのまま忘れてくれていればよかったのですがね・・。」
「そんなに私に死んでほしいのか?」
「・・・・はい。」
少々返事を煩った事から、クラウンにも若干の迷いがあると見えたが、その2文字を放った後、俯いていた顔を上げたクラウンの瞳には確かに殺気が纏われている。
「なぁ、クラウン、1つ、ずっと言いたかったことがあるんだけど、いいか?」
「どうぞ?」
険悪な雰囲気を感じ取れなかったのか、レベスはその緊張感ある静寂をもろともせず、いきなりその静寂を破った。ティルが思わず空気よめよ!と言いたくなったのは仕方ない。クラウンはあまり動じなかったようだが、裏オーナーと共に苦笑していたことは、言うまでもない。
「何で血塗れなわけ?」
「なぁに、ただの道化、だよ。」
クラウンはレベスに向けて、道化の部分を強調しつつ、にっこりと笑う。いや、にっこり、というか寧ろこれはニッタリ、といった方が良いだろう。
今のクラウンの笑顔までは、確実に子供は泣き始めてしまうような、ピエロとしてそれでいいのかと言いたいところだが、相手がレベス故の行為である・・・・・と信じたい。
「それは血糊、だよな?間違っても本物とか言わないよな?」
「血糊?何だい、それは。」
「えっ?」
「ん?」
クラウンにべったりと付着している赤黒くなったソレは、最早致死量などとっくに越えていそうな位多い。
更に、一部、明らかに床が赤黒い。
これらを考えると、結論としてはクラウンがそこに倒れていたか、もしくはオーナーが倒れていたかになるが、今、レベスの目の前にいるのは血塗れ(血は固まっている)になったクラウンだ。そうとなれば、オーナーの事など忘れてしまっているレベスからすると、その床の血もクラウンの物だと自動的に認識され(本当にクラウンのモノであるが)、血糊も知らないときた、となった時、レベスは1つの結論に至る。
俺は幽霊でもみているのではないか?
その考えを見抜いたのか、クラウンはクスリと口を手で押さえ、優美に笑う。
「幽霊、ではないよ。ただの道化師さ。」
「んな決め台詞みたいに言うなよ・・・・。」
パンッ
クラウンが1度を叩けば、皆が一斉にクラウンを見た。
クラウンは、注目が自分に集まったのを確認すると、笑みを貼り付けて一言。
「さて、役者は足らないが、愉しいショーを始めよう。」
最近不定期で申し訳ありません。




