異世界から来た青年はどうやらピエロの親殺しをお手伝いするようです。10
今回、かなり短めです。
「で、それが誰かわかってんの?」
「んあ?あぁ、オーナーだよ。」
「えっ?オーナー??」
「多分な。」
「でも、オーナーって_____」
レベスが意外な人物の名をを口に出したので、ティルは少々混乱していた。それもそのはず、オーナーと言えば、今クラウンと戦っているアノ人だからだ。
「あー、ゴメンゴメン。オーナー、と言うと少し語弊があるか・・・・。うーん、裏オーナー、的な?」
「・・・・。オーナーって二重人格だったとか?」
「違う違う。二重人格でも身体2つはないだろ。」
「レベスのさ、説明下手。また証明されたね。伝えたいことさっぱりわかんない。」
「ぐっ」
ティルに言われた2回目のレベス、説明下手宣言に、急がなければならないこの状況で、レベスは床にひざを付け、「俺、もう駄目だ・・・・。」とうなだれ、ティルは呆れながらも、問答無用でレベスを引きずってクラウンの下まで運ぼうとしていた。
※ ※ ※
「・・・・・。クラウン。」
「何です?今更。そんな、顔、されたって、アナタを、殺すことは、既に決定事項、です。罪を、罪を償いたいと言うなら、今すぐ首を差し出して下さいよ。父さん。」
未だ続くクラウンとオーナーの攻防戦、と言うより、クラウンの一方的な攻撃。
クラウンは体力の限界が来たのか、息切れをしており、対して、クラウンの攻撃を最小限の動きで避けているオーナーは、息1つ乱れてはいない。だが、クラウンの目はそれでもなお、殺気に満ち溢れ、刀が折れようと、体力が尽きようと、何があろうともオーナーを殺す気でいる。
それを察し、これでは、いくらクラウンの体力を削ぎ落とそうと、武器が使えなくなろうと、きっと殺すことを止めないであろうと思ったオーナーは、ある賭けに出た。
もしかしたら本当にクラウンに殺されるかもしれない、そんな賭けに・・・・。
「これでっ、どうだっ!!!」
クラウンはオーナーの心臓目掛けて勢いよく刀を突き刺そうとする。
オーナーは、賭けに失敗してしまったと、自身の最期を悟ったが、どうにも釈然としなかった。何か、何かが可笑しいのだ。
「クラウン、君は_____」
「死んでおいて下さいよ。せめて、悪者退治を始めるまでは、ね。」
それで、その言葉で、オーナーは気がついた。何が可笑しかったのか。それは笑顔がなかったことだ。何時も笑っているクラウンだったが、憎い仇だからか、口角すら少しも上げない。
だが、クラウンの場合、寧ろ逆。クラウンと言う男は、憎い相手ほど貼り付けた笑みを撒き散らす。そういう男だ。
そして、その瞬間、賭けは成功したのだと、オーナーは、そう感じた。
クラウンがオーナーを刀で刺したまさにその時だった。
「ご苦労だったな。我ながらあっぱれだったよ。ここまで騙されてくれるとはね。君も随分と堕ちたようだ。」
その場の第3者が現れたのは・・・・・。




