↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/60

一族会議

 九月十八日、堺に三好一族が集まり、向後を協議する。

 「ーーまあ、どうなるにせよ、これで、出し惜しみしたと後悔することだけはのうなった」一族の長老、長逸は苦笑する。「米櫃を空にする傾けようよ。伸るか反るか」

 「義賢承禎との交渉はつづいておるのだろう?」実休が、長慶を見る。「ならば、潮時であろう。公方と和を結べ。これなら事実上承禎殿が仲介よ。悪いことにはなるまい」

 長慶は、不快げに目を細めた。

 「ーー兄者!! 一か八かの賭けをする必要があるか!? 十中八九までは、対等以上の条件で和睦できる!!」

 (これ以上何を求めているのだ!!)すでに三好家は、隠れもない畿内の覇者だ。ここで将軍を戴けば、さらに盤石の体制で天下に臨むことができる。

 将軍を擁した上での堂々たる天下取り・・父元長が望んでいた以上の覇望が、すぐ目の前に開けているではないか!!

 「ここは公方と承禎殿の顔を立てよ。すでに公方は一度、晴元の出家を認められておる。今度こそ、あやつを追い払うことができようぞ」

 実休は、安宅冬康を見た。

 「神太郎(安宅冬康)お主のかんがえは、どうじゃ」

 この、寛仁で衆望を集める三男は、意外なことに固い顔で腕組みしている。

 「ーーわしには、判断が付きかねる。日々、瀬戸の海道が毛利家の軍船に脅かされ、往来が不自由になっておる。それは確かじゃ」ため息を吐く。「だが、ことは、陸(くが)の上の波乱よ。阿波のことなら実休兄に、畿内のことなら長慶兄に丸投げじゃ。和戦いずれとも、わしは決することはできぬ。ーーじゃが、寄せるにせよ、引くにせよ、畿内であれ四国であれ、中国九州でも、淡路衆は必ず荷も兵ももたらしてみせる。それだけじゃ」

 (うぬぬぬぬぬうううううううううーーーーーー!!)

 神五郎は、和議に投じなかった。(孫六郎〈十河一存〉ーーーーーー!?)

 四天王随一の荒武者である、末弟を見る。

 長慶も、床の間に置いた、ひどく禍々しい雰囲気の像のような趣で、孫六郎を見つめている。

 「ーー長慶兄」

 末弟は、言った。

 「和睦しよう」

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。