第6話 「エート、フード、イズ、グッド?」
三日目。甲板に出ると、日差しが強かった。海がぎらぎらしている。あちー。夏って感じだ。
ハッサンたちに交じって、甲板で葉っぱをもぐもぐした。相変わらずよくわからん味だった。楽しいのかこれ。
誰かに肩を叩かれた。皿を渡された。船の後ろのほうを指差した。
持ってけ、ということらしかった。
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階段を下りた。廊下があった。ドアの前に男が立っていた。
皿を持ち上げてみせた。男はドアを開けてくれた。
サンキュー、と言ったら、無視された。
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中に入ると、人がいた。ここは食堂かな?
こっちにも人がいたのね。
十人くらい。男ばかり。テーブルを囲んで座っていた。食堂みたいな部屋だった。みんな、こっちを見た。アジア系っぽい人が多かった。フィリピンかな、インドかな、みたいな顔ぶれ。あと白人が一人。なんか、多国籍だ。
こっちの人たちは葉っぱ食っていない。うーん、好みの問題?
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「どうぞ」と言いながら皿を置いた。
そりゃそうか。日本語で言っても通じない。英語でご飯どうぞって何て言うんだっけ。イート?ダイニング?プリーズ?
「……イート?」
男の一人が皿に手を伸ばした。
通じた。
なんか、みんな暗い。表の連中と全然雰囲気がちがう。なんでだろう。
せっかく飯あるんだから食べた方がいいぞ、と言いたかった。英語でなんて言うんだ。
「……エート、フード、イズ、グッド? イート、プリーズ?」
何人かが、ちょっと笑った気がした。笑ってくれた方が気が楽だ。
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出ようとしたら、後ろから声をかけられた。
振り向くと、さっき皿を取った男が、俺のリュックを指差していた。スケッチブックが少し出ていた。
「絵、描けるのか」と言っているような気がした。
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何人かの顔を描いた。渡すと、みんな嬉しそうに持っていった。
なんか、いい人たちだな。
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部屋を出るとき、誰かが「サンキュー」と言った。
「サンキュー」と返した。
なんかよくわからん状況になってきた。
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甲板に戻ったら、また皿を持たされた。
なんだよ、他の人に言えよ。
ハッサンを見たら、誰かとめちゃくちゃ話し込んでいた。
まあ、しゃーないか。




