第4話 「海は広いな大きいな」
出港して、何日かが経った。途中でよくわからない船に乗り換えた。その甲板に、俺はいた。
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でかい船だった。貨物船というのか。コンテナが何十個も積んである。どこの国の船かはわからなかった。旗はあったけど、読めなかった。
ソマリア語で誰かが怒鳴っている。誰かが走っている。銃を持ったみんなが船内に入っていく。俺は何となく乗り込んで、そのまま甲板に立っていた。
「……俺、何すればいいですか」
隣にいた男に聞いた。俺と同じくらいの年格好で、銃を肩にかけて、なんか暇そうにしていた。
「ハッサン」と男は言った。名前らしかった。
昔ドラクエに、こういう名前のキャラがいた気がする。ハッサン、アフリカ生まれだったか。
「タクです。タクって呼んでください」
「タク」
「で、何すればいいですか」
ハッサンは肩をすくめた。
そうか。わからないか。
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甲板の端に座って、海を見ていた。
青い。ひたすら青い。水平線が遠くて、波が来て、波が行く。
晴れているのに風があって、思ったより涼しかった。
なんか普通にきれいだな。海は広いな大きいな。
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夕方、誰かが皿を持ってきた。米と、なんか煮たやつ。
黙って受け取った。スプーンとかないんだ?
見よう見まねで手で食べてみる。おう、違和感……。
あ、でも、食べるとうまい。すごいな、なんかちょっと日本料理っぽさがある。
何だったのかは聞けなかった。また食えるかな。
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この日やったこと。
甲板に立っていた。
座っていた。
また立っていた。
以上だった。
ナイルパーチは、どこにもいなかった。




