↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
漁業補助スタッフ(ソマリア) 〜借金から逃げたら、海賊だった〜  作者: 華雪β


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/25

第3話 「これ、漁業じゃなくない?」

ナイロビ空港に降り立つと、熱気が押し寄せてきた。


ねっとりとした重たい空気。土のにおい。排気ガス。喧騒。日本と全然ちがう。空が、なんか広い。


ケニア。調べたところだ。


「タクさん?アリといいます」


担当者が迎えに来ると言っていた。その人がアリさんらしかった。


「さぁ、次の便でボサソへ行きますよ」


「ボサソ?ナイルパーチってボサソで釣れるんですか?」


アリさんは首をかしげた。そして「さあ、急ぎましょう」と言って歩き出した。

どうやら俺のセリフは無視することにしたらしい。おい。


---


次の飛行機は、小型のプロペラ機だった。


席は十二個くらいしかない。ガタガタ揺れる。隣に座っている男が、なんかすごく怖い顔をしていた。向かいの男も、負けず劣らず怖い顔をしていた。全員そうだった。


今さら降りられない。


---


ボサソの空港に降り立つと、空気が変わった。


今度は乾いた熱気だった。日差しが強くて、目を細めた。どこかから、ニュースで聞いたことある感じの祈りの歌が流れてきた。見上げたら、モスクの白い尖塔が見えた。こぢんまりした町だった。


あ、だいぶ遠くに来た。


車に乗せられた。アリさんはほとんど喋らなかった。窓の外に民家が減っていき、舗装が消え、何もない土と石の道になった。


「なんか思ってたのと、ちがう」


声に出てしまった。アリさんは無反応だった。


---


港に着くと、男たちが何人かいた。


銃を持っていた。本物の銃だった。マンガで見たやつと同じ形をしている。AKってやつだ。


足が動かなくなった。


銃口で、船を指された。


何かを言おうとした。でも何を言えばいいんだ?金魚みたいに口をパクパク開けて、結局何も言えなかった。


船に、乗れってことだよな。乗った。


---


出港した。


港が遠くなっていく。だんだん小さくなる。


戻れないかもしれない、と思った。


しばらく、波を見ていた。


まあ、なんとかなるか。


……なるよな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。