第14話 「宇宙って感じだ」
朝、おばさんが飯を持ってきた。
何かのレバーの炒めたやつだった。レバーなのに臭みがない。不思議な感覚。なんか清々しい朝飯だ。
食べていたら、ハッサンが「ゴー」と言った。
今日はどこにゴーだ?また市場か?
違った。港の方向だった。銃を持って歩いていた。
あ、海賊のほう?
ちょっとドキドキしてきた。なんだ、俺もそういうやつか。
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船に乗り込んだ。貨物船から降りてきたボートだ。
周りは、この間まで一緒に貨物船に乗り込んでいたメンバーが多い。ハーイ!
ハッサンが張り切っていた。他のみんなも。なんか出発前、って感じがあった。
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海に出た。
どこへ向かっているのかは、わからなかった。GPSみたいなものもない。地図もない。みんな、なんとなく同じ方向を向いているだけだ。
「ホェアー?」とハッサンに聞いた。
ハッサンが水平線を指差した。
あっちか。
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あてもなく、船を探して、そうやって何日か経った。
太陽が出て、沈んで、また出た。
太陽が燃えるように赤くてでかい。なんか、太陽すげぇな。地球って感じがする。
圧巻は夜だった。星が本当にたくさん見える。つかめそうだ。まさに、宇宙って感じだ。
見張りは交代制らしかった。順番が来るたびに誰かに叩き起こされた。
それで、今は俺の番。葉っぱを噛みながら、波を見ていた。
ずっと噛み続けていると、疲れてるんだか疲れてないんだかわからなくなってくる。何日目かもわからなくなってくる。腹が減ってないのに飯の時間が来る。そういう感じだ。
暇だったので、ロープの端に針を結んで海に垂らしてみた。
ナイルパーチとか釣れないかな。画像で見たみたいな、でかいやつ。たしか、身長よりでかかったな。この海域でも釣れるのかな。
しばらく、ロープを垂らしていたら、反応を感じた。
「お!きたか?」
勢いよく釣り上げてみると、小魚が一匹だけかかっていた。手のひらサイズだった。
……うーん、確かに漁業っちゃ漁業か。
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ある日、遠くに船が見えた。
みんなが動いた。エンジンが唸った。
いけるか、と思った。
でかかった。速かった。追いつかなかった。
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また波を見ていた。
しばらくして、帰ることになった。
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港に戻ってきた。ハッサンが何か言っていた。不満そうでもなかった。そういうもんらしかった。
こんな感じなの?
もっとこう、乗り込んだらすぐ拿捕、みたいな感じかと思ってた。
なんか、何日も海にいたのに、普通に海賊っぽいことしてないな。
1週間後にまた行くらしかった。




