13. イラストから小説を書いてみる ー密偵アルフォンスの言い分ー
十日ほど前、四月から参入しているCaitaで、投稿されたイラストを表紙に連携できるという機能がはじまった。
最初はやり方がよくわからず、もともと絵は苦手な私、遠巻きに眺めていたのだが。
数日後SNSのタイムラインに、ある方が『昔描いたアナログ絵に色を塗ってリメイクし、表紙にしていただいたら読みに行きます』と書かれたコメントとともに一つのイラストが流れてきて、目を奪われた。
何かを考えているような、長い髪の女性の横顔。囚われているようにも見える反面、意志が強そうにも見える視線の先にあるのは、彼女に差し伸べられたとも絡め取ろうとしているとも見える数人の手。その手はそれぞれ、薄紫、ベージュ、ココア色、ピスタチオ色で彩色されていて、違う人たちだと見て取れた。
その絵は、一つ前に私が書いていた、SNSのお題で1540字で書いた掌編〝ルイーズの恋〟、そのルイーズのイメージそのものだったのだ。
これは、作中でマリィ・アンが放ったと言っている密偵、まだ名前も考えていなかった間者のようなその人の視点で、続編を書くことが可能ではなかろうか?
そう思ったとき、フランス風で一度使ってみたかった男性名、アルフォンスという名前が頭に浮かんだ。そして絵を拝見したとき、その女性の視線から、タイトルは〝彼女の高潔な魂は〟としようと浮かんでいた。
あとは想像の翼をはばたかせるのみである。
アルフォンス……好みの黒髪、青い目(これは結果的に裏設定となったのだが)、それほど背が高くない、細身……。
そしてスパイに重視されることは、〝疑われない資質〟だ。
それをアルフォンスの生来の能力として、あまり何をしても親から気にもされない、下級貴族の五男坊とした。
私は割と憑依型で、一人称で書くときはその人物になりきって書くことが多い。〝ルイーズの恋〟というベースがすでにあるため、起承転結は、アルフォンスの自己紹介からはじまり、マリィ・アンをどう見ていたか、そして命じられた場面と内容。観察するにしたがって、アルフォンスの持つルイーズへの印象がどう変化していき、そしてラストは……? という流れにした。
その結果、〝ルイーズの恋〟を、マリィ・アンから密偵を命じられたアルフォンス視点で書いた、〝彼女の高潔な魂は ー密偵アルフォンスの言い分ー〟という4600字の短編が、二時間半ほどで完成した。
Caitaには、前回後書きに書いていた〝ルイーズの恋〟という掌編とは別に、その方のイラストを表紙に使わせていただいて、〝彼女の高潔な魂は ー密偵アルフォンスの言い分ー〟という短編を掲載した。
小説家になろうにはその二つをまとめて、〝彼女の高潔な魂は ールイーズの恋と、密偵アルフォンスの言い分〟というタイトルで掲載しています。(なろう版のSide A、〝ルイーズの恋〟の冒頭とラストの台詞を、つながりをスムーズにするために改稿していますが、ほかは同じ内容となっています。)
アルフォンスはスパイ設定のため、少し言い回しが理屈っぽかったかな~という気持ちはありますが、まあアルフォンスの性格とも言えます。
お楽しみいただけたらうれしい次第です。
そしてイラストを見て小説を考えることができるという、新しい扉を開いてくれたCaitaさんにもありがとうの気持ちでいっぱいです♪
Caita版の〝彼女の高潔な魂は ー密偵アルフォンスの言い分ー〟のリンクはこちらです。
https://caita.ai/series/01KTT8D5STPW41GMBPJBPYC9PF?stamp=20260615101004




