第五十一話 『遠坂雪音』
「今日はこの辺で終わりにしよう」
あの後三回戦まで行ったが、回数を重ねる度に疲れが溜まってくるのであろう、長く続かなくなっていた。
三回戦目なんて、俺はほとんど何もしていない。
攻撃を避け続けていたら、三上が勝手に倒れた。
そんな三上は現在、ゼーゼーと肩で息をしながら倒れている。
俺の問いかけにはとても答えられそうにない様子だ。
俺とほぼ同じくらいのスピードが出せるからと言って、戦って互角かと言えばそうではない。
全ての技術を満遍なく強化することが大切なのだ。
スピード特化型の三上と、全技術習得済みの俺とでは当然差が出る。
三上がこうなるのも仕方ないだろう。
だがそれも、俺相手ならの話。
普通の相手なら、まず問題なく勝てるだろう。
序列で言うと俺のちょっと下くらいか?
まぁ、そんな感じだ。
「お前は十分強くなったと思う
明後日は本番だから、明日の特訓は休みだ
ゆっくり休めよ」
とても返事が出来る様子ではない三上の隣に水を置いて、俺は闘技場を後にする。
本番、頑張れよ。
ただ勝ちたいだけなら俺はここまで応援しない。
こいつが闘校祭に出る理由は、例のグループの調和を図るためと言っていた。
仲間のためを思っての出場。
俺がこいつの仲間なら惚れちゃうよ。
誰かに出場を強制されて出場を決めたどこぞの誰かさんよりよっぽどいい。
こいつなら、序列という肩書が無くても仲間は全員ついてきそうなんだがな。
それだけではダメなんだろうか。
俺は心の中で三上を応援しつつ、能力研究部の部室へと向かう。
闘技場から部室まで、結構遠い。
ここ丘の上中学高等学校はかなり広い学校だ。
東京ドーム九つ分と言ったところだ。
てか、東京ドーム何個分って分かりにくいよな。
まず東京ドームをあまり知らない。
新しい例えとか考えた方がいいんじゃないか。
おっと、話がずれたな。
この学校は広いのだ。
闘技場から部活棟まででも、ゆっくり歩けば十分くらいかかってしまう。
まったく、どんだけ大きい学校なんだよ。
さすが神様が造っただけあるな。
で、俺はそんな学校を早足で歩き、部活棟へと急ぐ。
まぁ、本気で走ればすぐ着くんだろうが、俺の性格上疲れるのは嫌なのだ。
遠坂姉を待たせているとは言ってもどうせ他の奴らも残っているだろうしな。
早歩きを初めて数分。
俺は部活棟に着いた。
そして二階にある能力研究部の部室に向かった。
すると、部室前の廊下に二人の女子がいた。
部室の中をこっそりとのぞき込んできた二人は、俺を見た途端足早に逃げて行った。
人の顔を見て逃げるなんて、失礼な奴だな。
俺はそんなことを心の中でぼやきつつ、部室の扉を開ける。
『ガラガラ』
ここの扉は重たい。
素材はカラガタの木なんだが、建物自体が古くなっているせいで滑りが悪いのだ。
ここの扉が、校舎と比べて重たいのも仕方ないだろう。
「やっと来たのね」
扉を開けた途端、遠坂姉の声が聞こえてきた。
今日はそのニュアンスの言葉をよく浴びせられるな。
遠坂姉に言われるのは本日二度目だ。
「遅くなったな」
俺はそう言った。
なんだか、遅れてやって来る系のヒーローみたいな言い方になった。
ちょっと恥ずかしい。
「わざわざお呼びしてすいません
お姉ちゃん、止めても聞かなくて」
そう言ったのは妹の方だ。
遠坂姉がいるのだから、妹もいるんだろうとは思っていたがその通りだった。
でも、この二人だけなんだな。
そこだけは意外だ。
どうせ、明蓮寺と哉もいるものだと思っていた。
「二人だけなんだな」
普通なら一緒にいるであろうあの二人がいないので、不思議に思って聞いてみる。
明蓮寺はまだしも、哉がいないのは不思議だ。
あいつはたとえ家の方向が違っても、遠回りになるギリギリまで一緒に帰ろうとする奴なのに。
「二人には、先に帰って貰ったのよ」
「......そうなのか」
そこまでするなんて、本当に俺たちだけで一緒に帰りたかったのか。
なんて、そんな訳ないよな。
「それ、大丈夫なのか?」
俺は遠坂妹に向かってそう言った。
この部屋に入ってきた時には角度的に見えなかったが、部屋の奥まで入ってきたら見えた。
遠坂妹の腕、肘より少し下あたりに包帯が巻いてあった。
俺が部活に顔を出していない間に、怪我でもしたのだろうか。
包帯のせいで怪我らしきものの様子は見えないが、もし怪我だとすればよっぽどのものだろう。
包帯をするほどだ。
普通の切り傷なら、ガーゼくらいでいいはずなのに。
でもまぁあの傷なら治癒魔法陣とかで何とかなるだろう。
傷跡も残さずしっかり完治だ。
「今日あなたを呼んだのは、その事よ」
俺の、遠坂妹に向けた質問に反応したのは姉だった。
だが、俺の質問とは少しズレた答えだ。
でもまぁ、言いたいことは分かる。
イジメってやつだろう。
そうじゃないにしろ、それに似たものではあるだろう。
「詳しいことは、帰りながら話すわ」
遠坂姉はそう言って立ち上がった。
妹もそれに続く。
そして、俺たちは荷物をまとめて部活棟を出る。
その後、特に何かを話すでもなく昇降口で靴に履き替える。
昇降口を出るとすぐに、遠坂姉がある提案をした。
「ユキ
悪いんだけど、ちょっとだけ一人で歩いてもらえる」
姉のその言葉を受け、妹は不安そうな顔をする。
遠坂妹のその顔は、俺には若干青くなったように見えた。
今この状況で、一人になるのは怖いんだろうか。
「大丈夫
あいつがいるから」
姉は、小さな声で妹に囁く。
俺に聞こえないような声で話しているのだが、残念ながら俺には丸聞こえだ。
「う、うん......」
姉の提案を了承した妹は、やはり不安そうだ。
渋々了承はしたものの、納得はしていないようだ。
遠坂妹は、不安を顔に浮かべたまま、トボトボと歩き始めた。
残った俺たちは、少し間を開けてそれに付いて行く。
「ユキに何かあったら頼んだわ
絶対にユキから目を離さないこと」
俺はくぎを刺された。
要は、何が何でも妹を守れと言うことだ。
俺に守るのは向いていないんだが......
まぁ、守れるものは守ろう。
そっちも方が、俺の性分に合っている。
「ああ
守るってのは、力を持つ者の義務だからな」
俺は姉の願いを聞き入れて、妹を見る。
「目を離すな」とは言われたが、何が起こるのか分からないので遠坂妹以外にも目を凝らす。
と、そうして歩いている時。
遠坂妹が校門を通り過ぎた時。
一人の男子生徒が校門の陰から飛び出てきた。
その男子の手には、拳二つ分ほどの石が握られていた。
彼はそれを大きく振りかざす。
全身の毛が逆立った。
怒りとも言えないような感情が、俺の頭を支配した。
あんなの、イジメなんてもんじゃない。
事件だ。
前の世界なら裁判沙汰だ。
俺は走り出した。
速撃迅斬にも匹敵する、いや、それよりも早いスピードで走る。
男子生徒の元まで近づいた。
その男子は俺に気づいても尚、石を振り落とさんとしている。
だが、顔は驚いた様子だ。
面倒そうな顔もしている。
なおのこと腹が立つ。
俺は、片足を地面に抉り込ませるようにしてブレーキを掛ける。
ブレーキを掛けた側の踵を、くいっとそいつに向ける。
体が自然と捻じれる。
その捻じれを全開放。
かなり強めの回し蹴りを放つ。
俺の回し蹴りをまともに受けたそいつは、いとも容易く飛んで行く。
物凄いスピードで飛んで行くそいつは、あっという間に遠くまで行ってしまう。
大きな石を握ったまま。
そんなにそれが大事なのか。
ついさっきまで、衝撃を弱める奴と戦っていたせいもあってか、思っていたよりも強く蹴り飛ばしてしまった。
でもまぁ、問題ないだろう。
見ると、さっきまで死角だった位置にはまだ数人の生徒がいた。
いや、数人なんてもんじゃない。ざっと見た感じ、二桁はいるだろう。
男女合わせて十数人の軍団が、校門の陰に隠れていた。
俺はそいつらを睨む。
序列5位の睨みというものはかなりの威圧なのだろう。
そいつら全員が身を強張らせる。
その後、少し遅れて姉も駆け寄ってきた。
「ありがとう。助かったわ
あなたを信用して任せたけど、まさかあんなことまでするとは思わなかったわ」
遠坂姉はそう言った。
彼女の言う「あんなこと」とは、俺が蹴り飛ばしたことではなくあいつが石で殴りつけようとしたことだろう。
被害者である遠坂妹は、放心状態だ。
かなり怖かったのだろう。
フルフルと震えている。
姉が妹へと駆け寄る。
「大丈夫?」
遠坂姉は、妹の頭を優しくなでている。
が、顔は優しくない。
今まで見たことのないような、今にも人を殺してしまいそうな目で連中を睨み付けている。
今にも人を殺さんとする目と、序列5位の目に睨まれた連中はゆっくりと逃げていく。
なに、睨まれたくらいで逃げてんだよ。
お前らが標的にしている奴は、あれだけの敵意を向けられても逃げていないんだぞ。
みんなでやれば大丈夫ってか。
大丈夫じゃなくしてやろうか。
「根性のない奴らね」
遠坂姉はそう言った。
根性、ね。
そうは言った遠坂姉だが、やはり適当に言った言葉なんだろう。
心ここにあらずといった様子だ。
「あれ、どう思う?」
どう思うって、あんなの他に思うことは少ないだろう。
「かなり悪質だ」
「よね......」
遠坂姉は、何かを言いたそうにしている。
「あなたが悪い訳ではないんだけど......」
遠坂姉が、そう前置きをした。
俺、何かしたのだろうか。
思い当たる節はないんだが。
「あなた、前にユキが人を殺すことはないって言ったらしいじゃない?」
まぁ、確かに言ったな。
その言葉がいけなかったのだろうか。
俺は、その言葉のどこが悪かったのかを必死に模索するが、皆目見当もつかない。
ただ、罪悪感だけが募る。
「それを聞いた時は嬉しかったわ
でも、それで殺されることはないってことが分かった奴らが調子に乗ったのよ」
そういうことか。
全部が繋がった。
もともと周りから避けられていた遠坂妹は、『死』の恐怖から避けられるだけだった。
が、俺が言った言葉のせいで、遠坂妹に殺されることはないと分かった連中が、調子に乗ったのだ。
殺される可能性が薄まった遠坂妹は、連中にとってはいい的なのだろう。
イジメが始まった。
皮肉なことに、『サリエル』という二つ名は遠坂妹を守っていたのだ。
だが、俺はその二つ名を取り去ってしまった。
別に、悪いことをしたつもりは無い。
むしろ良い行いだったとすら思っている。
しかし、考えが足りなかった。
ここまで見据えたうえで、もう少し最適解を出すべきだった。
失敗だ。
「ごめん......」
「あなたが悪い訳ではない」とは言われたものの、ついその言葉がこぼれた。
「あなたのせいじゃないって言っているでしょう
悪いのはあいつらよ
あなたには感謝してるわ」
遠坂姉に、感謝されるなんて思ってもいなかった。
そういえば俺も、最初は遠坂姉に感謝していたな。
この世界に来て初めて助けてくれたから。
その借りを、今返そう。
「......明日、部活で話そう」
「でもあの二人には......」
相談できないと言うのか?
いや、そんなことはないだろう。
「あの二人も、やるときはやってくれる奴だ
頼りになると思うぞ」
でも、このことは俺一人で決めていいことではないよな。
遠坂姉も、かなり悩んでいる様子だ。
「このこと、あいつらにも言っていいか?」
俺は、放心状態の遠坂妹に声をかける。
「いいですけど......」
何か言いたげな遠坂妹は、言葉を止めた。
その続きを待っているが、何も言わない。
きっと、もう言うつもりは無いのだろう。
「ひとまず俺は、出来る限りユキちゃんを守るよ」
俺に人を守れるかどうかなんて分からないが、全力を尽くそう。
守る、か......
嫌な予感がするな。
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翌日、放課後の部室。
久しぶりに部員が全員集まった。
がしかし、空気はいつもより大分神妙である。
それは、俺が「話がある」と部員を注目させたからである。
俺のせいである。
「で、話ってなんだ?」
とは哉の言葉。
その質問も当然のモノだろう。
急に神妙な雰囲気の中に放り込まれて。
同情するよ。
でも、俺にも同情してほしいよ。
俺以外が椅子に座っているせいで、人員の目線が俺に集まる。
部員とは仲がいいので、自己紹介の時よりはましではあるが、それでもやはり注目されるのは慣れない。
見られると緊張してしまう。
「ユキちゃんについての話なんだが―――」
昨日会った話と、なぜそうなったのかを織り交ぜて話した。
遠坂妹が、石で殴られそうになった話。
あれほどは酷くないにしろ、前前から同じようなことが起こっていたこと。
それは俺が不用意に誤解を解いたせいであること。
俺のせいという部分には姉の方から訂正をくらったが、それでもかなり順を追って上手く話すことができたと思う。
「そんなことが......」
部内の雰囲気が悪くなった。
誰もが遠坂妹のことを心配している空気。
これからを考える空気。
だが大丈夫。
解決策については、俺が昨日考えてきた。
俺の案で、この件が完全に解決することはないかもしれない。
だが、今の状況が少しでも緩和すればいいと思う。
遠坂妹の気持ちは、俺には痛いほどわかる。
俺も似たような経験をしたことがあるから。
俺はその時、逃げることで解決したが、その方法で根本的な解決にはならなかった。
心のどこかに、不安が残り続ける。
遠坂妹には、俺と同じ経験はしてほしくない。
あのモヤモヤを、味わってほしくはないのだ。
例え、俺に人を守ることが向いていなかったとしても、この状況を緩和させるくらいのことはしたい。
こういったことを、武力で解決するという手もあるかもしれない。
だが、それについては、序列5位である俺が遠坂妹側に就くだけで十分だろう。
これ以上は、やりすぎになる。
過剰防衛だ。
てなわけで、武力での解決方はこれで終わり。
次の手は、周りを固めていくことと、安全性を高めていくこと。
「哉」
俺は哉の名前を呼ぶ。
まずは安全性の向上からだ。
「お前には、俺が守れないときにユキちゃんを守ってほしい」
昨日、俺が遠坂妹を守るとは言ったものの、俺一人だけで守り続けるというのはやはり無理がある。
よって、俺が無理な時は哉だ。
護衛二段構えだ。
遠坂妹は護衛術を持っていないのでしょうがない。
「おうよ!
任せろ!」
最高の返事だな。
期待できちゃうよ。
俺ができないときも、これで安心。
多分、哉もかなり強いはずだからな。
「明蓮寺」
次に明蓮寺を呼ぶ。
次に周りを固めていきたいのだが......
それを明蓮寺にこれをお願いするのはどうなのだろうか。
今は改心しているが、明蓮寺はもともと遠坂妹を遠ざけていた側の人間。
まぁ、それも前までの話で、今は変態以外はとてもいい奴ではある。
それに、彼女は遠坂妹をのけ者にしていた主犯格ではない。
大勢がすることと違う事をすれば、自分がどうなるかなんて想像は容易く出来るだろう。
次にのけ者にされるのは自分になるのだ。
だから、周りと同じような行動をとるのも仕方がない。
たまに、『いじめを見て見ぬふりをするのも、いじめと一緒』だなんて言葉を耳にするが、それを言っている奴もまた、見て見ぬふりをしている一人なのだ。
別に、俺はそれらを悪いことだとは思わない。
周りに流されるようにできているのが人間ってやつなのだ。
まぁ、決して良い行いとは言えないが。
しかしそれでも、こいつにこのことを頼むのはどうなんだろうか。
これを頼まれた明蓮寺は、どういう気持ちになるだろうか。
俺はそう思って、明蓮寺を見る。
すると、彼女は俺の話を聞き入れようと、前のめりになって俺の言葉を待っていた。
気持ちはどうであれ、覚悟はあるということか。
ならば、その覚悟に任せよう。
「お前は聞いた話によるとクラスではそれなりに中心人物らしいな」
「......はい」
誰から聞いたか?
牧田だよ。
「お前には、連中の説得をしてほしい
それと、ユキちゃんのイメージアップも頼みたい」
俺に人脈はない。
人脈のない人間は、説得力が半減する。
それはいくら序列5位だろうと変わらない。
俺が明蓮寺に任せた事は、俺にはできないのだ。
中心的存在である明蓮寺にしか。
なのだが......
「もしかすると、お前も友達が減ることになるが、大丈夫か?」
これは、俺が頼んだことでありながら、少し頼みにくいお願いなのだ。
イジメを注意した人間が次の標的になるなんて、良くある話だ。
それもあって、俺はこの頼みを強制することはできない。
かなり危険な賭けだ。
「大丈夫です
注意しても直らないような友達、減ったってどうってことありません」
なんとも頼もしい返事だが、
「今度は、お前がイジメられるかもしれないんだぞ?」
そうなれば、もう確実に元の生活には戻れない。
俺が今しようとしているのは、標的の変改に過ぎないのかもしれないのだ。
「大丈夫です
私はあの時、周りと合わせるために見て見ぬふりをしていました
しかし、それを今では後悔しています
また同じことを繰り返すのは嫌なんです」
明蓮寺は、苦い顔をしながらそう言った。
でも、友達だった奴にいじめられるのは、かなり辛いはずだ。
それでも大丈夫なのだろうか。
「それに、」
明蓮寺は言葉を続けた。
「翔琉先輩がいてくれれば、それだけで幸せなので」
明蓮寺のその言葉は、いつもの軽口には聞こえなかった。
それだけの覚悟があるのだろう。
「じゃぁ、任せるよ」
明日からは闘校祭。
だが、その裏でまた別のことが進むのだ。
とは言っても、俺は守るくらいしかできないが。
他力本願過ぎるだろうか。
なんだか申し訳ない。
こうして一手は打ったが、これは根本的な解決とまではいかない。
この場しのぎだ。
今を乗り越えても、また第二波が来るはずだ。
闘校祭が終わったら、遠坂妹に護身術を教えよう。
遠坂妹が実は強いなんて知れば、今回のようなことはなくなるだろう。
少し脳筋的発想だろうか。
まぁいい。
ついでに他の部員にも、もひとつついでに牧田にも護身術を教えよう。
こうしたイジメを止めるのに被害者が頑張らなければいけないということに苛立ちはあるが、こうでもしないと奴らは止まらないだろう。
彼女には悪いが、少し頑張ってもらおう。
「あなたたちは、闘校祭に集中しなさい
私だって弱くはないから、闘校祭中は私がユキを守るわ」
そう言ってくれるなら、俺と哉は闘校祭に集中しよう。
だが、戦っていないときは出来るだけ遠坂妹の近くにいるとしよう。
あと、明蓮寺にも目を凝らしておこう。
と思い、俺は明蓮寺を見る。
明蓮寺はそれに気付いたのか、ニコっとはにかんだ。
「そんなに情熱的な目を向けられると照れちゃいますよ
結婚しちゃいますか?」
こいつは、相変わらずだな。
だが、こいつのおかげで暗かった雰囲気が明るくなってきた。
とりあえずは、明日を頑張るとしよう。




