第七話 異世界の町ファーベル編
ギルドに務め初めて15日たった。今のところ手持ちには七万七千ペインある。
一日ニ~三のペースで依頼を受けた結果、ちょっとばかりの物を買えるくらいまで稼げるようになった。
一時はどうなることかと思ったがこれなら重い病気を患ったりしない限り金に困ることはないだろう。(フラグにはならないでくれよ)
ドンドンドン!
その時、ドアを強く叩く音が聞こえた。
「おいアキラ、いるか?」
この声は宿主のロベルトさんか、どうしたんだ急に。
「何ですか?宿代なら昨日払ったはずですけど。」
「そうじゃねぇ、お前に用があるっていう客が来たぞ。」
俺に用がある?誰なんだ?
階段を下りるとテーブル席に座っている高そうなローブを着た男がいた。
あれ?この人って魔道具を売る店を経営してる人じゃなかったっけ。一回行ったことがある。
ちなみにそこで売られている魔道具は安くても二十万、高い物だと一千万もする。当分俺には手の届きそうにないものだ。
そんな人が俺に用があるってどういうことだ?
「君が最近ギルドに加入したアキラという者かね?」
「そうですけど。」
「私はこの町の魔道具店を営んでいる者だ。君に依頼を頼みたい。」
え?俺に指名依頼?何で俺なんかに…
指名依頼とは依頼主が特定の人物に直接依頼することだ。こういうのは普通高ランクの人に指名するはずたが。
「今私の店では深刻な魔石不足なものでねぇ、魔石は魔道具作りに不可欠だから困ったものだよ。」
「はぁ」
「そこで君に魔石を採取してきてもらいたい。Dランク以上のモンスターの魔石を五個だ。報酬は魔石の質によって異なるが、良い物であれば五十万ほど出そう」
かなり魅力的な報酬だな。
しかしこれって実質モンスターの討伐依頼だよな、装備も何も持ってない今は受けるべきじゃない。
「すみませんが、この依頼は断らせて…」
断ろうとすると話を遮ってきた。
「そういえば最近うちの店の商品が盗まれてな、ファイアーロッドという魔道具なのだが一度君が私の店に来た時に同じ物を持っていたと思うのだが、これは偶然かね?」
なんだ?急にそんな話をして…
まさかこれって俺を嵌めようとしているのか?
このまま俺にこの無茶な依頼を受けさせて成功しなかったら多額の罰金を払わされて、成功したとしても難癖つけて報酬額を下げてきたりとか?
そして俺が依頼を断ったら俺のことを犯罪者に仕立て上げるっていうことか?
不吉なことを考えていると、魔道具店の店主が耳打ちをしてきた。
「言っておくが、このまま余計なことを言わずに素直に依頼を受けた方が賢明な判断だぞ。」
まじか…何で俺この世界に来てからトラブルばっかり巻き込まれてばっかりなんだよ。
だがこの感じは断る選択肢は無さそうだな。犯罪者にはなりたくない。
「…分かりました。この依頼受けます。」
「うむ、では二日後にまたくるのでその時に依頼品を持ってきてくれ。」
「え、いやせめてもう少し時間を」
「二日後だ。」
とんでもないことになってしまった…




