第四話 異世界の町ファーベル編
勢いよく飛び出したのは良いものの、何しろここは初めての土地なのでですぐに迷ってしまった。
とりあえず宿屋に行きたいんだが…しかたない、人に聞くことにしよう。
そうして俺は目の前にいた三人組の男達に宿屋の場所を聞くことにした。
「あのーすみません、この辺に宿屋ってあります?」
すると真ん中にいた長髪の男が答えてきた。
「宿屋の場所が知りたいのか?それなら俺達が案内してやるよ。」
おっ、親切な三人組だな。
それじゃその好意に甘えるとしよう。
俺とフォードは案内してもらうことにした。
しかしここは俺が驚くことばかりだな。
前にいる三人組も含めてすれ違う人の中には武器を帯刀している人もいるし、動物(モンスターの方が正しいか?)は見たこと無い物ばかりだし、まるでRPGの世界に入りこんだようだ。
「ここだ。」
おっと、着いたようだ。しかしそこに宿屋はない。
「あの…ここって路地裏…」
戸惑っていると長髪の男が後ろに回ってこう言った。
「なんだよ、俺達は案内するって言っただけで宿屋にとは言ってないぜ、さぁ案内料を払ってもらおうか。」
そう言うと男は帯刀していた片手剣を抜いて首筋に当ててきた。
「えっ?いや…」
「なんだぁ?払わないってのか?案内してもらってそれは無いだろ。お前とそいつがどうなってもいいのか?」
後ろを見るとフォードが気絶したまま捕まって短剣を当てられている。
まじかよ、いきなりかつあげに遭うなんて。
…しょうがない、ここは素直に従おう。
袋から金を取り出そうとしたとき、突然目の前が真っ暗になる。
そしてそのまま意識を失ってしまった。
―とある場所で―
「あらあら、この子気絶しちゃってるわ。」
まったく世話を焼かすなこいつは。
「何言ってるんだよ、慣れてもいないのに無理やり意識を“ここ”に持ってきたらそりゃ気絶ぐらいするよ。下手すれば精神が壊れる可能性だってあったんだからね。」
けどこいつは見たことろ平気そうだろ?
「まぁまぁ、過ぎたことはいいじゃないですか。そんなことより早くしないとこのお方の身ぐるみを剥がされてしまいますよ。」
「そんなことって…まぁいいや、とりあえず今はまだ…」
おう!行ってくる!
「あっ!まだ話はおわ……」
―――――――――――――
「あっはっはっは!こいつビビッて気絶しやがった!」
はぁー…こんなやつら俺が出なくてもこいつの膨大な魔素をうまく使えば余裕で勝てるってのに。
「兄貴!今のうちにこいつの身ぐるみ剥いじまおうぜ!」
おっと、早く起き上がらねぇと。
「よしそうだ…いやまて、こいつ気づいたぞ。」
ふぅ…さて、今は片手剣を持った長髪と後ろの短剣を持ったハゲ、そして油断して腰の武器を抜いてすらいない短髪の三人に狭い路地で囲まれてる所か。
「おい、よく眠れたか?それじゃ、おとなしく持ってるもんすべて出しな。」
とりあえずこいつの相棒を救出するか。
ガッ!
「い!?いっいだだだだだだ!!」
よし、問題なく魔素は扱えるな。
ちょうど良い力でハゲの腕を掴めてる。
相棒も救出できた。
「なっ!?てめぇ!」
長髪が攻撃してきたか、だが狭い路地で片手剣はうまく扱えまい。
短髪の方は武器を抜く途中だから問題ない。
ここは長髪を…
ガッ!バキッ!ドゴッ!
「ぶごっ!」
ガンッ!
剣ごとおもいっきり蹴る!!
「おっおい、嘘だろ!?」
「いだっいだだ!はっ離、離して…」
残りの二人はおじけついたようだな。
バッ
「わっ!にっ逃げるぞ!」
「すっすみませんでした~~!」
ふぅ、体は問題なく動くようだな。
それにしてもこいつはあんな奴らなんかに…うっ!
バタッ
―――――――――――――
はっ!
俺は意識を取り戻した。
不味い!フォードが!
後ろを向くと、気絶したままのフォードがいた。
あぁよかった。
ここで俺はある異変に気づく。
持ち物を確認すると、盗られているものが何もなかった。
なんでだ?俺の持ってた三万三千ペインにも手を出さないなんて。
…まぁ町の衛兵にでも見つかったんだろう。
あいつらには二度とあわなけりゃいい。
ここでフォードが起き上がる。
「なっなにがあったの?」
「何もなかったよ、それより宿屋を探そう。」
「???」
今あったことは忘れよう、うんそうしよう。
ご視聴いただきありがとうございます。これからも不定期で投稿していこうと思います。




