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第九話 異世界の町ファーベル編

 今俺の目の前には獲物を狙う目をした熊のモンスターがいる。


 モンスターについて書かれた本はEランクとDランクしか調べていないが、その中には熊はいなかった。

となるとこのモンスターはCランク以上ということになる。


 モンスターと戦うのは同じランクであることが望ましい。

俺のランクはEランク、Dランクでさえ格上なのにCランクなんてまともに相手をすることはできないだろう。


 幸い前の世界にいた時に熊に関する知識はある程度知っている。

熊はこちらが背を向けない限りいきなり襲ってくることはない。このまま視界の悪い所まで移動し、そこで熊を撒くことにしよう。


 「フォード絶対後ろには向くな。」


 「う、うん」


 そのままフォードが後ろに一歩後ずさりした時だった。


 「ガァァーーーー!」


 突然熊がフォードに向かって襲い掛かりってきた。


 な!?まじか!

俺はとっさに熊に向かってタックルを仕掛ける。


 ドガッ


 「グォ!?」


 タックルを受けた熊は反撃のように爪で引っ掻いてきた。


 ザシュ


 避けることが出来ず足に爪で引っ掻かれる。


 「痛った!ぐ、くそ!」


 何でだ?俺の知っている情報が間違いなのか?


 「グォァァァーーーー!」


 考える暇もなく熊がまた襲い掛かってくる。今度は俺が狙いのようだ。くっそ、やるしか無い。


 とっさに避けようとしたが、何しろ足を負傷していて思うように動かない。たまらず熊に馬乗りにされる。


 そして熊は俺の肩に噛み付いてきた。


 ガブッ


 「だぁぁぁーーーーーー!」


 「あきらーーーーーー!」


 ぐっ、やめろ!

噛み付いている熊を離そうと顔を殴る。


 バギッ


 「グォ!」


 攻撃に怯んだようで、噛み付いていた肩を離す。


 やられてばっかでいられるか!


 ガッ


 熊に馬乗りにされたまま俺は熊の首を締め上げる。


 「グォァァァーーーーーーーーー!」


 熊は苦しそうに叫び声を上げる。そして必死に俺を振り落とそうと体を揺さぶってくる。


 このまま腕を離したら俺は死ぬ!

振り落とされないように締め上げる腕の力を強める。


 ボキッ


 その時何かが折れる音と同時に熊が揺さぶるのをやめる。そして熊は俺を下敷きにして倒れる。


 ズルッズルッズルッ


 熊に下敷きにされた俺は熊の下から這い出ようとする。


 「ぐっ、くっ、はぁ。」


 熊の下から這い出た俺は熊の恐怖からの解放と勝負に勝ったことへの安心感からその場に倒れこむ。


 まさか勝てるとは思わなかった。人間やろうと思えば意外と出来るもんなんだな。


 「あきら!だいじょうぶ!?」


 フォードが心配して俺のもとに駆け寄る。


 「あぁ、俺は何ともない大丈夫だ。」


 これはもう狩りに行くのは諦めた方がいいな。この怪我で町まで帰れるか。


 いやその前に俺が倒したモンスターから魔石を回収しないとな、確実に足りないが、何とかあの魔道具店の店主を説得するしかないか。


 苦労して倒した熊の前にいき、ナイフで解体していく。意外と解体しやすい。


 出来るだけ内臓などを見ずに手探りで進めていく。やがて石のような硬い感触の部分を見つける。


 なるほどこれが魔石…なんか多くないか?


 数えてみると中に五個の魔石があった。


 おお!まじか!魔石って一体につき複数個あるのか。


 これは思いがけない棚ぼただな。よし、早く町にもど…


 「ゴァァーー!」


 「はぁっ!」


 なっなんだ!?

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