第二十九話 だって、慈善活動だもん・・・
「・・・では、学園で魔物肉が流行っている、というのはどういうことでしょうか。貴方が流行らせたのではないのですか。今の生徒会長、確かデレゲという名の。彼は魔物を蔑んでいたはずです。なぜ許されたのでしょう」
「そうですね。生徒会長がなぜ魔物を尊重しだしたかは私もよくわからないです。でも、魔物肉を受け入れる判断をしたのは生徒たちですよね。確かに勝手に魔物肉のサンドウィッチ売ったけど、それを美味しいからまあいいか、と受け入れてもらいました」
「・・・勝手に売る行為そのものが価値観の押し付けでは?」
「なんの肉かなんて聞かれていませんし。聞かれていないことに関してわざわざしゃべるなんてしないですよ。それに価値観の押し付けではなく慈善活動です。放置された魔物の死骸から発生する腐臭は問題でしたから回収してたんです」
クーリエの目が一瞬泳いだ。
「クーリエ?私、そんな報告受けていなくってよ?」
「だって、慈善活動だから問題ないかなって・・・」
「まあ、貴方に期待した私が馬鹿だったわ。シメるならプレセスね」
ジロリとミテーナに睨まれ猫に睨まれるネズミのようにクーリエは縮こまった。
「聖女様。妻を直していただくことは可能なのでしょうか」
「ですから、本人の意思確認をしますって。もし直して欲しいというならば多分直せますけど、貴方の意見は聞いてないんですよね」
「妻はこの通り、喋れる状態ではないと思いますが」
「・・・それもそっか。ではお母様にお手伝いしてもらいます!お母様、治療薬とか、そういうの簡単に作れます・・・?」
「無理」
ミテーナは真顔で一刀両断した。
「こんな不衛生なところで作ったって十分な効力は発揮しないわ。家になら予備はあるけど持ってきてないもの」
「そんなぁ〜」
「真面目に薬学の授業を聞いてたらいいんじゃない。自分で作れたら私に頼らなくても問題ないのに」
「薬学の授業はあまり面白くないんですよ、お母様。もっと魔物学とか生物学とか解体学とか料理学とか有意義なものを増やしましょう!」
「貴方以外だれも受講しないわ」
この親子の会話をコション侯爵家の人間は呆気に取られて聞いていた。そこになんと救世主があらわる・・・!
「クーリエ様、ミテーナ様!見てください!」
我らが桜餅だー!




