第二十二話 サンドウィッチ、美味しかった人ー?
今クーリエは全学園の生徒に注目されている。なぜなら?朝集でしゃべることになったからだ。
「どうも。クーリエ・サンクタです」
シーンと静まり返る生徒を前に頬に手を当てて、どうしたらいいのかしら、と困るクーリエ。そして何かを思いついたようで、
「皆さん!私の屋台に来たこと、ありますか?ある人は手をあげてください!」
初めはなかなか手が上がらなかったが、生徒会長席に座るデレゲとその隣、副会長席に座るアミレーゼが手を上げたことで4分の3ほどの生徒の手が上がる。
「サンドウィッチ、美味しかったですか?美味しかった人―?」
なんと、先ほど手をあげた生徒のほとんどが手を挙げ続けた。
「ありがとうございます!これから続けるにあたり、注意事項を言わせていただきますね!」
皆が手を下ろし、クーリエをみつめる。
「まずですね、一つ目。魔物の買取は1日におひとり様一匹限定!鮮度が重要ですからね!鮮度が!」
なんで鮮度なんだ・・・というどよめきが湧き上がり、デレゲが額に手を当てた。
「二つ目!営業はこれからは基本、私の侍女に一任していくつもりです!私の侍女に手を出したり、乱暴したりしたら我が母が許しませんのでおやめください。私は責任取りません!」
母?文官棟の聖女のことか・・・ざわつく生徒を前に学園長が胃薬を飲んだ。
「三つ目!屋台で売っているサンドウィッチや他の軽食は授業中などには食べないでください!すでに怒られた方がいると聞いていますが、私はこれも責任取りません!」
何人かが視線をそらし、その中にはあの保健委員長が混ざっていた。
「四つ目!これが一番重要です。屋台で売られるお肉は全て、魔物のお肉です」
***
「クーリエ。魔物の肉を販売している、ということはできたら全校生徒に話してほしい。下手に後から騒がれるのは困るからな」
「?いいですけど。生徒会長的に問題はないんですか?」
「なんのことだ」
「ほら、いつか魔物なんて・・・みたいなこと言ってなかったですかね?」
「・・・言ったな。だが学園長との実力差を目の当たりし考えを改めるようになった。あの時はすまなかった」
「別にいいですけど。もう魔物肉を食べるのは平気ですか」
「・・・うまいものには逆らえん」
「わかります!美味しいって正義ですよね!」
***
デレゲは認めている。生徒会も認めている。はたして、生徒は認めてくれるだろうか。
無意識にスカートをにぎしめるクーリエの、それは人生で初めて緊張した瞬間だった。




