第十八話 桜餅、教えを乞う
人気のなくなった学園の森の前の小さな出店。そこには包丁を振り上げるクーリエとメルの姿。2人の前にはBランクの蛇の魔物がいた。
「いいですか、桜餅。まず爬虫類の魔物を解体する時にはお皮を剥ぐんです」
クーリエはスーっと蛇のお腹を切り裂いた。
「待て!お前は侍女に魔物の解体の方法を教えるのか?!」
「いえ、私が自分からお願いしたんです!」
メルが大真面目な顔で答える。
「いや、それでも・・・そのような肉切り包丁でそこまで細かい作業をするのは無理があるのでは?」
「?そう、なのですか?私は最初からこれでやっていたのですが」
「もしかしたらクーリエ様の加護『解体』のおかげかもしれませんね!・・・私は、うまくできる自信がないです・・・」
キラキラと尊敬したようにクーリエを見つめるメルは少ししゅんとしていった。
「なんだ、そんな物騒な加護は!」
「確かに、そうかもしれませんね。ではメルはナイフから始めてみましょうか。今度買っておくのでメルは私が捌いたお肉を焼いていってください」
デレゲの言葉は華麗にスルーしてクーリエは包丁を構える。そして・・・!
「わあ!珍しい!」
皮を剥いていくと中から小さな粒がたくさん出てきた。
「・・・これが、卵なのか?小さいな」
「そりゃそうですよ。しかも魔物の卵って珍しいんです!多分、この子は自分が孕んでいることにも気づいていなかったんでしょうね。B級とはいえ子供がいるのならたかが生徒に見つからないような場所に隠れるんですよ!」
クーリエは出てきた卵を小さな壺に詰めて蓋をした。
「これは塩漬けにでもしましょうか。お酒好きなあの夫婦なら喜ぶと思いますし・・・」
どの夫婦かは言及するまでもないだろう・・・。
「クーリエ様!魔物って卵生なんですね」
「胎生のものもいますよ。ですが魔物とはいえ、生物学的には一応爬虫類に分類されます」
魔物に生物学が適応されるとは・・・!それはさておき、剥かれた皮も壺に詰める。そして残った肉からピンセットを使って骨を一本一本抜いていく。
「・・・」
すっと肉の表面に指を滑らせて骨の位置を特定していくクーリエにはさすがとしか言いようがない。
骨を抜き、一口サイズに切られた蛇はメルによって手際よく焼かれっていったのだった。
また明日20時に投稿します!




