第十七話 開業・・・です!
実家で数日過ごしたクーリエは、メルを連れて学園へと戻っていった。
そして、事件は起こる。
あるお昼休み。デレゲは森の近くが不自然に混雑していることに気がついた。良くみると、何か屋台のようなものの周りに集まっているようだ。急いで確認していくと、エプロンを着たクーリエとメルが魔物を前に真剣な表情をしている。
「・・・な、なんだ!この店はなんだ!」
「あ、生徒会長、こんにちは!実はですね、叔母様からお小遣いをいただきましたので、死んだ弱い魔物を買い取るサービスを始めました!鮮度がいい・攻撃の影響が少ないなどいくつか条件を分けまして!鮮度が良く、死後硬直があまり始まっていない魔物ほど値段が高くなります!休み時間はずっと空いてますから生徒会長もどうぞ!」
これこそ素晴らしい投資ですよね!とガッツポーズするクーリエにデレゲは胃が痛くなるのを感じた。
「・・・学園長に報告を・・・」
「あ、そうでした。学園長なんですけど、しばらく休暇を取るそうです。叔父様や叔母様に稽古をつけていただくそうですよ」
「・・・そんな・・・。逃げたか、学園長!」
クーリエのやらかしを押し付ける学園長がいないという真実を前に、デレゲは崩れ落ちた。
「はーい!今並んでる方まででーす!クーリエ様、呼びかけてきますね!」
なんと!メルまでもクーリエの手伝いをしているのだ!
「よろしく、桜餅!・・・桜餅と言えば。アミレーゼ様にお菓子を買ってきたので今度お渡しします、とお伝えください、生徒会長」
「あ、ああ」
デレゲの返事を聞くことなく、クーリエは魔物を査定を再開した。
「で、えっとこのお肉ですね。はいはい。Cランクの炎属性のウリ坊ですか。まだあまり固まってないですね。鮮度が高い証拠です!銀貨5枚!」
「ありがとう。他のも狩ったら買い取ってくれるのか?」
「基本はそうですね。ですが、1日で1人から買い取るのは一度なんです。また明日、よろしくお願いします!」
「そうか。助かるよ」
(炎属性なので)真っ赤なウリ坊を持ってきた青年は微笑んで銀貨を握りしめて去って行った。
「今ので銀貨5枚だと?!かなりの高額だな」
「そうですか?銀貨5枚なんてお菓子を一つ買えるくらいですよね」
「文房具を一式買い揃えるぞ」
・・・クーリエもお嬢様なのだ。そのはずなのだ。
「おお!これは!Bランクの土属性の大ヘビですね!ただ、鮮度が落ちているので銀貨4枚です」
残念そうな顔で銀貨4枚を差し出すクーリエに、Bランクの魔物を持ってきた最後の客である少年は怒鳴った。
「おい!Bランクだぞ?あのCランクとは比べ物にならないはずだ!なぜBの値段がCよりも下なんだ!」
「え?鮮度が低いからですが、何か?もしCランクで鮮度がこの子と同じであれば銀貨1枚ですよ?」
「せ、鮮度なんて!大切じゃない!」
「私にとって、お金を出す私にとって価値があるものなので。クレームは受け付けません。魔物もお返しいたします。お金を返してください」
にっこりと微笑むクーリエに少年は手を振り上げる。
「叩きたければどうぞ。お父様に解体されても、お母様にあなたのご両親が干されても、叔母様や叔父様に肋骨を折られても文句は言わないでくださいね。どうなるか、私には保証できませんので」
クーリエのバックは恐ろしい・・・。誰だ、こんな脅し文句をクーリエに吹き込んだのは。
「え?」
「あとさっさと失せてくれません?私、解体したいんですよ。私の加護「解体」が疼いてるんですよ。わかります?この気持ち」
クーリエの笑顔の圧にたじろぐ少年の肩にデレゲはぽんと手を置いた。
「おとなしく引き下がったほうがいい。コイツに手を出せば王族も出てくるぞ」
王族ときき、少年は銀貨4枚を受け取り魔物を置いて逃げていった。
「ありがとうございます、生徒会長。・・・では、桜餅やりますよ!」
「はい!クーリエ様!今日こそ合格をもらえるように頑張ります!」
「え?え?なにを頑張るの?なんか変なことしないよね?ねえ?!」
腕まくりをして、クーリエと・・・メルが!包丁を持った。その図はデレゲを不安にさせるものでしかない。
がんばれ、デレゲ!
どのキャラクターが好きでしょうか。
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