第十六話 か、開業、資金?
サンクタ家の6人は優雅に食事をとっていた。もちろん、それらは全てクーリエ父の手作りであり九頭鳥だったお肉も入っている。
学園長が柔らかく解された鳥肉を口に運びながら呟いた。
「・・・さすが叔父上。とても美味しいです」
「そう言ってくれてとても嬉しいですよ、プレセス君」
「それに、・・・とても、遺伝を感じます」
チラリと視線を向けられたクーリエが小首を傾げる。
「ほうれふか?わらひ、おほうさ」
「クーリエ、口に物を入れたまましゃべるのははしたないわよ」
「そうですよ、クーリエ様!はい、お水」
「ありがとうね、メル」
桜色の髪が揺れてメルが嬉しそうに笑った。そういや、桜餅といえば・・・とクーリエがあることを思い出す。
「副会長から上品なお菓子を買ってきて、と言われていた気がします。お父様、おすすめ何かありますか」
「・・・そうか。アミレーゼ君の言葉は覚えているのにデレゲ君のは覚えてないんだな・・・」
「?そうですね、たとえば空也とかはどうでしょう。渋めの甘さでミテーナが好きですよ」
メルとクーリエ、そして学園長母が目を輝かせた。
「ミテーナ様が好きなお菓子?!」
「糖分にうるさいお母様の好きなお菓子?!」
「ミテーナの好きなお菓子?!私も好きになるはずよ!」
「ええ。豆をすりつぶしたペーストなんですが甘くてとても美味しいですよ。私もプロポーズの時に渡して、その時言われたのが」
「ちょっと!それ以上はだめ!」
クーリエ父がうっかりとプロポーズについて口をすべらさないようにしっかりと夫のに口を押さえながらミテーナは必死に空也の良さを説明し始めた。
「空也はね!甘いのだけど本当にしつこい甘さではないというか、とても自然な甘さで、美味しいのよ。上品な味わいだと思うから、お友達にあげるにはちょうどいいと思うわ!」
「・・・おともだち?私、友達なんていませんよ?」
「・・・そう、なの?ちょっと、プレセス!あなた、クーリエちゃんは生徒会で楽しそうにやってるって言ってなかったかしら?」
学園長母がキレた。その隣に座っている学園長父は哀れみの目線を息子に送るが、手出しはしない。先ほど妻と妹にコッテリと絞られた後なのだ。
「叔母さま、楽しいですよ?皆さん美味しそうに食べてくださいますし」
「ああ、も!なんていじらしいのかしら!ちょっとお小遣いあげちゃってもいいかしら、ミテーナ」
「・・・自分の財布から出すならお好きにどうぞ」
クーリエの言葉に目を(なぜか)潤ませた学園長母がいかにもしっかりしていそうな侍女の人に頼んで金貨の塊をメルに渡した。
「こ、これは!」
突如!クーリエの頭にある構想が浮かんだ。
弱い魔物、みんな狩る。ほったらかす。勿体無い。買い取って軽食を作って売る・・・!
「か、開店、資金!ありがとうございます、叔母さま!」
「いいのよ〜」
「待って、クーリエ。あなた、何か開業でもするつもり?メル、しっかり見てあげてね」
「はい!任せてください、ミテーナ様!」
「あの、クーリエ?学園内で変なお店作ったりしないでね?」
なんとも混沌とした夕食会なのであった。
次回の予定と投稿日、未定です。明後日の20時までに投稿できたらいいな・・・。よろしくお願いします。
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