第十五話 ギシィー!ぼた・・・
ポタ、ポタ。
石の床に真っ赤な血が滴り落ちた。男は怪しく笑い、手に持った3つの首と、頭のない7つの首の鳥の首をまた一つ、刎ねた。
ギシィー!ぼた・・・
残る2つの頭が、車輪が軋むような音で鳴いた。
「やはり、イキがいい。良い出汁が取れそうですねぇ〜!」
包丁を振り上げる。と、そこに!
ギシィー!バン!
「お父様!九頭鳥ですね?!私も料理《解体》したいです!」
聖女が現れた。
「クーリエですか!久しぶりですね!残念ですがこの鳥は私の獲物ですので」
娘の姿に顔を輝かせて、元宮廷料理人はにっこりと笑った。
「ずるいです!私もやりたいです!お父様のケチ!」
「う、クーリエにケチって言われた・・・。しょ、しょうがないですね。ではこの最後の頭を切り落としてください」
娘に甘い、いいお父さんなのだ。もちろん、妻にも甘々、デレデレである。
「はい!」
慣れたように腕まくりをして満面の笑みで包丁を振り下ろした。
ギィィシィィ!
聖女の一撃でB級の魔物が食材となった。嬉しそうなクーリエの綺麗なドレスは鮮やかな赤で彩られてしまっていて・・・
「クーリエ様!今のはなんですか?!大丈夫ですか?!」
「あっ、桜餅!」
「ミテーナが拾ってきた子ですね。クーリエの侍女になったんですか」
マイペースにサクサクと、実に手際よく魔物を捌くクーリエ父を憧れの目で見つめるクーリエは全く気づいていなかった。いつも笑顔なメルが怒っていることに・・・!
「クーリエ様?なんですか、なんでそんなにお洋服が真っ赤なんですか!さっき着替えたばっかりですよ!」
その後、クーリエとクーリエ父は仲良くミテーナに怒られました・・・。
次回「開業、資金!?」明後日20時投稿です。




