飛翔
俺たちは帝都へ向かった。不幸中の幸いだったのは、アルベルトが用意した馬車がまだ街に残されており、「それなりの戦力」を伴って向かうことができることだろうか。だが、決して戦争をするために帝都へ向かう訳ではない。俺の目的はただ一つ。
「───マーガレットと、話がしたい」
話し合いのために、帝都へ向かうのだ。新たに【共鳴】という力を手に入れ、強力な仲間たちを手に入れた今なら、数で劣っていても防衛線を突破し、彼女に会うことが可能になるだろう。
しかし、事態は急変し、帝国の防衛線を突破するだけでは帝都に侵入し、皇帝となった彼女の元に向かうことはできないことが分かった。謎の勢力による来襲───まずは彼らを止めなければ、話し合うことすら叶わない。
そして翌日、帝都に到着した俺は、そこで白い服に身を包んだ軍勢を目にする。彼らは帝都の城壁を取り囲み、今まさに攻勢に出ているところだった。
「サント・マティウス・マグヌス大司教区か……!?」
その服装と軍旗には見覚えがあった。この世界に来て最初に読んだ本に、図録が収録されていたのである。しかし、アルベルトから聞いた話だと、マーガレットの戴冠の代わりに彼らは独立したはずだ。敢えて帝都を襲撃する意味が分からなかった。
それに、大司教区の軍事力では帝国の軍事力に敵うはずがない。仮に帝都の包囲に成功したとしても、その包囲は長続きしないはずだ。周辺の諸侯に要請を出せば、彼らはすぐにでも領民を徴兵し、招集軍を結成する。そして彼らは容易に包囲網を外側から崩すことが可能だろう。
彼らが何故戦争を始めたのか、それを考えるのは後からでもできることだ。それよりも、彼らを止める方法か、彼らより先にマーガレットと対峙する方法を考えなければならなかった。そして、前者の方法は既に無いことを悟る。
「……そもそも、防衛兵が少なすぎる。このままでは、簡単に突破されるぞ」
予想通り、大司教の軍はクロスボウ部隊の射撃の隙を突き、梯子を掛けて昇っていった。彼らに狙いを定めようとした兵士も弓矢で射止められるのが見えた。多くの命が同時に失われ、壁は完全にその役割を失っている。
「クソ、間に合わない……!! シルト、そっちに【投擲】のグランペは居るよな!?」
「何を飛ばすの!?」
「俺をだッ!!」
馬車で向かっても間に合わない。だが、彼女たちの協力があれば俺一人でも帝都の中に向かうことができる。そんなことを考えながらシルトに作戦を説明していると、リーカは共に馬車から飛び出し、声を上げた。
「私も行きます!!」
「無茶……いや、それは俺も同じだな。死なばもろともだ」
「あんたたち、雰囲気変わったわね。あっ……そういうこと?」
「くだらないことを言ってる暇はないぞ、準備はできてるだろうな」
「当然よ」
シルトはすでに【投擲】のグランペに【ケガレ】を顕現させていた。……俺は彼女たちの能力を聞いていただけで、その実物を見るのは初めてな訳だが、それは明らかに、スリングの形をした投石器だった。つまり、ぐるぐると振り回されて飛ばす、ということなのだろう。
「リーカ、しっかり捕まっていろ……!!」
「は、はい……!!」
これでもかというほど、ぶん回される。そして、射出される。時速は恐らく三百キロほどで、自由落下して帝都の中にドンピシャに落ちていく。───死ぬな、これは。
「【弾力】、ここだッ───!!」
俺は、【通信】のグランペが持たせてくれた通信機のような【ケガレ】で指示をすると、【望遠】でモニタリングしているミザリーが、シルトの部隊に居る【弾力】のグランペに【ケガレ】の発動のタイミングを教える。
俺たちが着地するその瞬間に、クッションのようなものが発生する。どうやら生き延びたようだ。
「た、助かりました……」
「まだ何も終わっていない。大司教区の軍が皇帝の居城に突入するまでに、マーガレットに会う。そして話し合う。そして二人で軍の侵攻を食い止める。今からこれだけのタスクを行うことになる」
「よ、よく分からないけど分かりました!!」
「よし、リーカ……ついてこい!!」
目の前に聳え立つその城に、俺たちは向かって行った。
疲れたし休むつもりだったけど、ドラゴンズが勝って嬉しいので更新
ところでNBAの話になるんですが、レブロンが退団したり急に補強したりと、ちょっとレイカーズ動き激しすぎじゃないですか
八村、どうなっちゃうんだろ・・・
ネッツかなぁ・・・(シーズン中にトレードの駒にされそう)




