互いの罪
リーカは、彼女自身の口からその言葉を発した。
「私は……数多くのグランペを……同胞を、この手に掛け───殺してきました……」
弱々しく俯いて、視線を逸らす。そして震える声で続ける。
「ジュンキさん……失望、しましたよね。あなたは、これからたくさんのグランペを救おうとしているのに……」
「リーカ、勘違いするな。俺の目的はグランペを救うことじゃない。───この世界がムカつくから、自分が思ったような世界に作り替えようとしてるだけだ」
「でも……私はジュンキさんが思ってるより、多くの同胞を……!!」
「……俺だって、たくさん人を殺してきたさ。これもリーカには黙ってたことだな、すまない」
彼女の言葉を遮って、俺は罪を告白する。
「俺は元の世界では兵士……いや、兵士というのもおこがましいな。自分勝手に青臭い理想を押し付けて、無関係な人も巻き込んで、周りの迷惑も顧みずに突き進み続ける最悪な奴だったんだよ」
「ジュンキさんが最悪だなんて……」
「リーカ、俺が君のことを何も知らなかったように、君は俺のことを何も知らない。……俺は、誰かに信用されるような綺麗な人間ではないし、立派な人間でもなかったんだ。その理想だって……結局俺自身がやったことを正当化するために使って、穢してしまった」
彼女が話を遮らないように、矢継ぎ早に言葉を続ける。
「平和のためにと戦争を拡大させた。君たちの国のためだとその国の人々を殺した。子供たちの未来のために、子供を殺した。悪い奴をやっつけると言って、罪のない人間にまで手を掛けた。───それが、俺だ。ジュンキという男の正体だ」
「ジュンキさんは、何か戦う理由があったんですよね?」
縋るように問いかけるリーカに首を振り、俺は断じるように答える。
「俺に戦う理由はなかった。俺は平和な国で産まれ、平和な国で育った。そのまま老いて死ぬことさえ許されていたんだ。それなのに、俺はあの世界が憎かった。平和の中に身を置いて死ぬことが怖かった。だから……戦地に向かったんだ。そして、俺は命を落とし……この世界にやって来た」
「そんな……じゃあ、女神ヴェリオッタ様は、なんでジュンキさんこの世界に……?」
「分からない。……だが、ハッキリしてるのは俺がこの世界にもムカついていること。心底腹が立っていること……つまり、やりたいこと自体は元の世界と変わらないんだ」
リーカはいつの間にか目に涙を浮かべ、俺の胸を叩く。
「ごめんな、いきなりこんな話を聞かせて。……リーカこそ、失望しただろ」
「そうじゃ、ありません……ッ!! ただ、ジュンキさん、前の世界でも死んじゃったのに……同じことしちゃ、また死んじゃうんじゃないですか……ッ!!」
ぽこぽこと、擬音で表すならそれくらい弱い叩き方で、叩かれる。彼女の本当の力強さを知っていればそれがそれほど手加減したものなのか、分からないはずもない。
「……こんな俺でも、心配してくれるんだな」
「だってぇ……」
「……おっと」
「むぐっ!!」
リーカが何かよからぬことを言いそうな気がしたので、人差し指で彼女の口を食い止める。こちらとしてはあまり「意識」させられる発言をされることは避けたい……昨日の宿屋の一件のようなことはないように。……話を逸らそう。
「リーカ、さっき買った髪飾り、今付けてみないか?」
「えぇっ!? 急ですね……!!」
俺は仕分けた荷物から髪飾りを手渡し、リーカに付けさせた。
「へへっ♪ 似合ってますかっ♪」
リーカの表情には涙の跡も残っていたが、すっかりと晴れた笑顔で髪飾りを付けた姿を見せつけた。いつかどこか見た純白の花を思い出される、何色にも染まっていない色の髪飾りだ。少し目に掛かってしまっていた部分の髪がしっかりと分けられ、綺麗な瞳がぱっちりとこちらを見つめていた。
「あ、あぁ……似合ってるよ」
「やったぁ♪」
意識しないように話題を逸らしたのに、結局彼女のその笑顔に心を撃ち抜かれそうになってしまった。次の話題を脳内で探したら、まだ聞きそびれていたことがあることを思い出す。そういえば……リーカの手に現れたあの大剣は一体何だったのか、まだ彼女に何も聞いていない。
「そういえば、リーカ───」
───俺が彼女に語り掛けた、ちょうどその瞬間のことだった。【水上広場】は急にざわつき始めた。俺たちは騒ぎの中心に向かっていく。そこに居たのは、この街の役人だった。
「アイディーナのグランペ、【大地のシルト】は本日未明、市街地に侵入した!! これより三日間、汚らわしき魂の浄化のため───浄化刑を実施する!!」
一通り暴れ散らかして、放心状態
一旦は落ち着いたけど、やっぱり気分悪いし、頭も痛いね
一応ファンクラブ会員なんだけど、チケットクーポン使わずに今シーズン終える可能性も出てきました
見たいと思える試合が無いと、どうにもモチベーションが上がりません
正直私生活でもちょっと嫌なことがあってメンタル落ち込んでたので、今回の敗戦でさらに落ち込むと思ったんですが、ショックが大きすぎてむしろ陰鬱な気持ちが吹き飛びました
何も楽しくはないですけどね




