⑱とりあえず
「お、俺は、凌、祐、修兄さん、譲兄さんって呼ぶから!!(精一杯な様子で声を上げる一実)」
「いいんじゃない?ねぇ、凌、祐に修? ……あー面白い(他三人が各々とりあえず納得した表情を見て、口元手を当ててからつぶやく譲)」
「む、姉に便乗してはくれねぇんだな(若干むくれた様子の常葉)」
「俺は姉ちゃんほど図太くない!」
「何を言う、ただの年の功とその他の何かなだけや」
「その他の何かって何!?」
「あ、この洗った食器の場所とか教えて修兄」
「え、あ、それは……ここで」
「ありがとー、あ。凌食べてるのおいしそー」
「? ……これ? 修兄さんが作った」
「マジ兄さん神!!?(常葉)」
「ゴ●ドハンド!?(一実)」
「それはドクターだ(常葉)」
「じゃあゴッドシェフ!」
「もうちとひねれや」
「そんなん急に出てこんし!!」
「さよか。ところでゆず兄はこんな神がかった弟を持つ身としてどう思う?」
「まぁ、神って言うより料理オタクだと思うけど。いつもおいしいご飯を作ってくれてありがたい弟だね」
「うん、持つべきものはいい弟だね。よし、一実よ、弟子にしてもらってこい(ちらりと一実を見る常葉)」
「オレかよ!?」
「言わずもないが?」
「常葉さんは料理しないのか?(牛乳を飲みながら言う祐)」
「してもいいんだけど……微妙にへこむことになるからやめてる。大丈夫、私には一実がいる」
「練習したらいいじゃん。一緒に修兄さんに教えてもらう?」
「う、え、あ!?(動揺して食器を落としかける修)」
「んー……教えてもらうより食料がもったいないから一実だけ弟子入りしてきたらいいよ。あ、修兄。これから家にいてる間、食器洗い私やりまーす!」
「あ、そうだ。なんか食器や調理器具とか、ルールがあったら教えてください、修兄さん」
「え、ああ、そうだね。一実くん、あとで教えるよ。と、と、常葉は、気を使わなくて、いいんだよ?」
「や、女子なのに料理に希望が持てないんで、そこはやらせてください」
「そ、そう?」
「神聖な領域を汚すことはするつもりはないけど、粗相をしそうだったら遠慮なく駄目出ししてくださいね」
「……常葉姉さん、修兄に餌付けされた?」
「確かに、修兄の料理を食べたらな(修)」
「なんたって、ゴッドですからね(一実)」




