表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/50

第36話 恋人ごっこは妹の掌の上で

如月学園の昼休み。

兄・城ヶ崎春は、校庭の片隅で作戦会議を開いていた。相手はクラスメイトの女子たちだ。


「……で? 結衣ちゃんに仕返しって?」

「うん。ちょっとだけ、妹の鼻を明かしたいっていうか」

「妹ちゃん、普段から“兄さん命”だもんねぇ」

「でしょ!? たまには俺が優位に立ちたいんだよ!!」


春はテーブルに“偽彼女大作戦”のメモを広げる。

•【作戦名】恋人ふりふり作戦

•【協力者】女子クラスメイトのノリの良い2人

•【目的】妹を動揺させたい!

•【最終目標】「兄さん……私より他の女の子を選ぶの……?」を言わせる!


春「これだ!これが俺の逆転の一手なんだ……!」


女子A「逆にこっちが楽しみなんだけど」

女子B「めちゃくちゃ嫉妬されたらどうすんの?」

春「そしたら……俺の勝ちだッ!!」


 



翌日。

放課後、校門前。


春は協力者の一人・山田さん(仮名)と親しげに笑い合いながら歩いていた。


春「いやー今日のプリント助かったわ、ほんと頼りになるー!」

山田「えーそんなー、春くんのためなら全然!」

(わざとらしい!)


その様子を、結衣は遠くの植え込みから見ていた。

片手にノート。もう片手にはスマホ。


結衣「……ふむ。兄さん、女の子と楽しげに。なるほど」

結衣「で、あの子のクラスは……あ、わかった。なるほど、協力者ですね♪」


スマホのメモ帳に【兄さんの小芝居確認】と書き込む結衣。

完全に“観察モード”である。


結衣「これは……わざと私に見せてるのね? 可愛い♡」


 



翌日も、翌々日も、春は“見せつけデート”を敢行。

•教室で手作り弁当を渡される(もちろん中身は女子の母作)

•廊下で「はい♡」と腕に抱きつかれる(すぐ離れる)

•放課後の帰り道で傘を2人で差す(結衣、上空ドローンで監視済)


だが、結衣はただひたすらに無反応。


春(……なんで!?なんで何も言ってこないの!? 焼きもち焼けよ!!)


焦る春。


その日の夜、ついにしびれを切らした彼は――


「なぁ結衣、最近……なんか冷たくない?」


結衣「そうかな? 兄さんが幸せそうだから、そっと見守ってたんだけど?」


春「えっ」


結衣「“山田さんと仲良くしてる兄さん”って、微笑ましいし♡」


春「バレてたーーーッッ!!?」


結衣「うん。最初から♡ ていうか、カメラに全部映ってたし♪」

春「どこにカメラ仕込んだぁぁ!?」

結衣「校門前と渡り廊下と生徒会室のポットの中♪」


春「ポットはダメだろぉぉぉぉ!!」


 



そして翌日。

春は生徒会室に呼び出され、結衣・凛・梓の三人に囲まれていた。


結衣「兄さんには、反省の意味も込めて――**“結衣命ヘアゴム”**を一週間つけていただきます♡」


春「どんなお仕置きだそれ!!」

梓「完全に宗教じゃん」

凛「カラーは3色展開です。春様の気分でどうぞ」

春「気分で選ばせるなあああ!!」


結衣「もう、妹を甘く見ちゃダメなんだからね♪」


春はその日、“IMOTO♡LOVE”と刺繍されたヘアゴムをつけて帰宅したという。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ